“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第291回
もと鑑定官が常温熟成に賛同

先日、「純米酒フェスティバル」というイベントが
純米酒普及推進委員会の主催で、椿山荘で開催された。
全国の50蔵が集まり、合計250〜300種の出品種を試飲できる。
ただの飲み会ではなく、日本酒の奥深さを知り、
純米酒のよさとおいしさを味わい、
出展する蔵元さんたちと交流を深めるといのが開催主旨だ。

昼の部、午後の部と2時間半づつの会を同じ日に行い、
各600名、総計で1200名の席が満席になるという賑わいで、
大盛況であった。
この席で、もと鑑定官の堀江修二先生から、
私の提案している常温熟成について
同意される意見をいただいた。

このイベントには、
運営をしている株式会社フルネットの中野社長から誘われて、
出席することに急遽なった。
拙書『世界一旨い日本酒』をサイン即売会をしたいという。
本を売ってくれて、しかも、酒と料理も堪能できるのでは、
と二つ返事で引き受けた。
ところが、サイン会というのは、
そのブースで待ちうけないといけないので、
自由に出品酒を飲みには行けない。
皆が酒を飲み、料理を食べているところで、
飲まず食わずで2時間半をすごすのは結構大変であったが、
おかげで本は相当な数を買っていただけた。
また読者の方々と交流できたのが収穫であった。

そして、純米酒推進委員会の委員をされている
堀江修二先生と知り合いになったことがさらに収穫。
堀江先生は島根で鑑定官をしていて、
現在でも島根の蔵元さんたちに酒造りを教えている。
堀江先生とお話して、
先生は
「昔は全国新酒鑑評会で金賞を取らせるための技術指導に
 全力投球をしていたのが、
 あれは、おかしな方向に向っていって、
 途中で警鐘を鳴らしたけれど、業界からは総スカンをくらった。
 途中で吟醸酒の香りがどんどんと
 人工的なものになる酵母が開発されて、
 これでは日本酒は駄目になると考えた」
と、私と全く同じことを随分前に提言されていた。
「酒は食中酒として旨いことが必要」
という意見も私と同じ。

拙書『世界一旨い日本酒』については、
「自分が言おうとしたことが全て書いてある。
 自分も日本酒を冷蔵庫に入れたことはない。
 皆常温で保管している」
と、評価していただいたことが、とても嬉しかった。
醸造学の専門家の意見を一度は聴きたいと思っていたが、
否定されるどころか、賛同していただいたことは、
門外漢であった私の考え方が間違いではなかった
と、自信になった。

最近は蕎麦や日本酒のイベント、メディア取材などに
関わることが多くなってきた。
妻からは
「あなたの専門はなあに?」
と嫌味を言われることが常日頃。
しかし、それでも、今後の日本酒の復活に
ささやかながら貢献していかれれば幸せだ。


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2005年10月10日(月)

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