“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第296回
美味しい店の探し方

久しぶりにハワイ諸島に行く機会があった。
といっても、以前訪問したのは新婚旅行のときなので、
もう二十数年前。
それも、オアフ島とカウアイ島に行っただけだった。
当時の記憶をたどれば、
ハワイは景色のよさに反比例して美味しい料理に乏しかった。
いずれの店の料理も大味で、
新鮮なフルーツ以外はあえて食べたいと思うものはなかった。

今回はハワイ島で学会があり、論文発表をする機会が訪れた。
ハワイ島はもちろん初めて。
今回もあまり美味しい料理には期待はしなかったが、
どうせ行くなら
できるだけ旨いと評判の店に行ってみようと考えた。

初めての地の美味しいレストランをどうやって見つけるか。
これは、常につきまとう大きな課題。
よく個人ホームページに
旅行先の美味しい料理屋の情報を載せていることがあるが、
私は全く信用をしない。
というのは、個人旅行では楽しい思い出に飾られて
多少まずい料理屋でも美味しく感じられて、
過大評価されることが多いから。

食べ歩きのホームページは海外だけではなく、
国内の料理屋に対してもとても多くなっている。
これらのページは読んでいて楽しいが、
その情報は鵜呑みには決してしない。
何が美味しいかということは
個人的嗜好によって相当な違いがあるようであり、
有名なグルメサイトであっても、
賛同できるものをいままで見たことがない。
これは、彼らの味がおかしいというのではなく、
私の味の嗜好とは違うということ。

また、グルメ情報を載せているサイトは、
たんなる客としての食べ歩きという視点だけで、
何故美味しいか、食材はどうか、調理はどうか、
という美味しさに対する客観的な洞察が不足しているものが多い。
客の視点になればなるほど、
個人の嗜好に左右される評価になってしまう。
好みかどうか、気に入ったか、
ということがその店の評価のおおもとになっている。
客観的な記述に不足していれば、
そのサイトの執筆者はいい、あるいは、悪いと言っているが、
自分が食べたときとは違うのではと疑ってしまうわけだ。

グルメガイドの図書も全く同じことが言える。
日本では、巷にでているグルメガイドで、
レストラン評価の参考になるものは皆無と言ってもいい。
昔からの知名度の高いグルメ評論家の書いたもの、
最近の新人の執筆したものなど、
日本はグルメガイドに溢れているが、
それらは、新たに行ってみる店を知ることの参考にはなるが、
紹介された店が美味しいとは全く保証されていない。
なんでも自分の舌で評価することが大切だ。

そこで、初めて訪問する地方で、
どこから美味しい店、美味しい食材の情報を得るかということは
非常に重要。
私は自分の嗜好に近い、
あるいは、私の嗜好を理解してくれる知人から聞くことが
一番と考えている。

具体的には、私が主宰している美食のメイリングリストがあるが、
ここには私の考えに近い美味しいもの好きが集まっている。
これは非公開で、
メンバーの紹介者だけが入会できるようにしてある。
前に紹介した博多もそうだが、
どこかに行くときにその地の美味しい店を問えば
答えたたくさん返ってくる。
メンバーのなかには、割烹、そば屋、フレンチのご主人、
グルメライター、漁師、食材流通業者などの
料理業界のプロもいるが、
素人ながら美味しい想いをしたいというメンバーが
また色々な情報を提供してくれる。
彼らは私の嗜好をよく知っていてくれて、
それに合う店を紹介してくれるのだ。

このように、信頼できる美味しいものの情報を得られる人たちの
ネットワークを形成することは大変重要だ。


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2005年10月17日(月)

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