“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第358回
正月料理の仕込み

12月30日に築地場内で仕入れてきた鯛2尾と平目、
それに村公一さんから送ってもらった鱸3尾は、
鱗をとり内臓をはずして、
クッキングペーパーにくるんで冷蔵庫で保管しておく。
はずした内臓はその日の夜に湯引きして、
酒のつまみとしていただいた。
鯛、平目、鱸の肝臓はそれぞれ甘み、苦味が微妙に違い、面白い。
なかでも鱸がしっかりとしたコクを感じさせる。
胃袋も大変美味。
プルンとした食感が食欲を誘う。

さて、同じく村さんからのサヨリ27尾は
一夜干しにする処理を行った。
まずは、内臓をとっておき、
それを7%前後くらいの塩水に丸ごと漬ける。
開くことはしない。
25分ほど漬けてから干物用のネットのケースの中に入れて
屋外で干しておいた。
残りはスミイカ。
これは、新鮮さが足りなかったので、まず酢に通す。
その上で塩をして、ピチット(脱水シート)にくるんで
冷蔵庫に保管しておいた。
この処置によって、臭みがとれ、新鮮さが戻ってくるはずだ。

これらの魚類は、二日以降に使用するので、
そのときに熟成の旨みがどれだけでてくるかが楽しみだった。
元旦は、築地場内で調達した蒲鉾、イクラ、数の子、などの食材。
それに、新橋「鮨処しみづ」に暮に寄ったときに分けてもらった、
煮ハマグリ、コハダ、タコ。
さらに、名古屋の京加茂さんに送ってもらった3段重が加わる。
まずは、丸う田代の高級蒲鉾である「富士」に
秋鹿「嘉村壱号田」2000年を合わせる。
雑味のないきれいなうまみどうしで、どてもよくあう。

次が「しみづ」の鮨ダネのコハダ。
二日経っていても旨い。
煮蛤、蛸も最高。
いよいよ京加茂さんのお重を食べることになる。
これは見事なもので、あけたとたんに家族の歓声があがった。
四角いお重に色鮮やかに整然と並べられている。
食べてみれば、いずれもしっかりとした味付けで
冷えても美味しい、
時間が経っても美味しい絶妙の技法には、
あいかわらず感動を覚えた。

【一之重】

穴子八幡巻
柚子柿
はも板
もろこ甘露煮
鴨ロース
田作り
黒豆
いくら
数の子
いか雲丹焼
椎茸と胡瓜のあいまぜ

【二之重】

鯖西京焼
真奈鰹西京焼
鰻巻
貝柱味噌幽庵焼
海老さより手綱巻
海老芋
堀川牛蒡
叩き牛蒡
菊花蕪
柿なます
蕗利久漬け
矢生姜

【三之重】

にしん昆布巻
ごぼう昆布巻
甘栗
穴子奉書巻
日の出サーモン
くわい
干し柿とマーガリンの市松
こんにゃくピリ辛煮
蓮根
裏白椎茸
梅人参
金柑蜜煮


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2006年1月11日(水)

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