“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第369回
コストパフォーマンスの疑問

よく、料理屋の美味しさを
コストパフォーマンスで評価する人がいる。
しかし、私の場合は絶対評価が第一で、
値段については安いに越したことは無い程度に考えている。
5000円の味が10000円の味の半分くらい
美味しければいいとは思えない。

それと、コストパフォーマンスと言ったときに、
忘れているのは時間の価値だ。
生活していく上で時間というものはとても大切で、
お金に換算すればとても高いものだ。
同じ時間働くといくら経費がかかるか換算するには、
自給だけでなく、雇い主側の管理運営を考える必要がある。
すると、仕事をしていると仮定すれば、
自給の数倍の経費がかかっていることになる。
ということは、まだ社会に出たばかりの若い会社員であっても、
2時間の食事の時間的な価値は1万円くらいにはなる。

また、時間にも何をする時間かで重みが違う。
食事を愉しむ時間というのは、とくに重みが大きい。
一生のうちでも夕食を食べる回数は
365日に死ぬまでの年数をかけたもの以内。
例えば、あと40年くらい生きるとしても、
1万5千回程度の夕食しか食べられない。
そのうちの一回と思えば、その価値は大変大きい。

このように考えると、同じジャンルの食べ物なら、
絶対値として高品質のものを食べたくなる。
ただし、お金をいくら払ってもいいと言っているわけではない。
その絶対的にとても旨い料理でも、
適正な金額かどうかということが二番目に重要だ。
支払額が高くなれば、いい食材に当たることが多くなるので、
必然的に美味しいものは高価にはなる。
また、食べ放題の店などにはとても行く気がしない。
企業に勤めているときに、
職場の宴会で数回シャブシャブや、鮨の食べ放題の店に
やむなく行ったことがあるが、
最初の一皿はそこそこの質の肉がでてきても、
次の皿からは肉質が落ちて食べられたものではない。

私の研究室の学生は、教育指導の成果か、
チェーン展開している大衆居酒屋にはいけなくなり、
2回行くのを1回にしても、
私が勧める高品質な酒と肴を出す店に行くという。
そのため、他の研究室の友達と飲み会をやるときに、
意見が合わないそうだ。


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2006年1月26日(木)

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