“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第374回
日本一のじゃがいも

広島県に美味しいジャガイモ(馬鈴薯)がある。
北海道の男爵イモも、メークイーンも美味しいが、
それを越す旨さに感動さえ覚える。
昨年の暮れに広島の知人から
そのジャガイモを一箱いただいた。

そのジャガイモは通称「まる赤」と呼ばれていて、
「赤」の字が丸く囲まれた記号がブランドとなっている。
広島県秋津町木谷が海岸線沿いに竹原と接するあたりの
赤崎という地で栽培されている。
この赤崎は赤レンガのような色をした
粘土質の赤土で覆われている。
この赤土にはマグネシウムやリンなどのミネラルが豊富であり、
そこで、温暖な気候と潮風を当てられて美味しく育つそうだ。

「まる赤」は、最初に食べたときに、
とくかくその旨みにびっくりした。
そして、今回もその旨さを再確認できた。
見た目では、皮がすべすべしていて、赤みを帯びている。
どうにも艶っぽい。
食べてくれとジャガイモから話しかけられるような
錯覚さえ覚える。

「まる赤」はどうやって食べても美味しいが、
単純に茹でてバターで食べてみた。
皮ごと食べると、皮の薄さが食感を邪魔せず、
その皮の周りの旨みが口のなかにすすーと入ってくる。
バター風味が味を強く押してきて、
そこでホクホクした芋本体を噛んでみる。
香ばしい旨みが口のなかにあふれてきて、
芋のダイレクトな美味しさに嬉しくなる。
この芋はあまり手をかけた料理をせずに、
まずは、その自然の旨みを味わうのがいい。

ところが、肉じゃがにすれば、
それはそれで、また汁と絡んでとてもいい味わいになる。
日本に「まる赤」というジャガイモが存在していて、
本当によかったと感じる。
これを知らずに、男爵芋、メークイーンで満足しているのは、
人生の幸せを一つ知らないことになる。


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2006年2月2日(木)

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