“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第381回
日本酒復権、そして、熟成が普及

ようやく、日本酒業界が元気になりつつある。
雑誌の日本酒特集も増えてきて、
酒屋も一時の焼酎の陰に追いやられていた日本酒が、
再び中央の目につく場所に戻されてきた。

日本酒をテーマにした単行本の出版も増えている。
一時は本屋の酒のコーナーで平積みされているのは、
焼酎とワインの本ばかりだったが、
日本酒の本も置いてくれるようになった。

そして、嬉しいことは燗酒が見直されてきたことと、
日本酒の熟成に興味を持つ飲み手が増えてきた点。
拙書「世界一旨い日本酒〜熟成と燗で飲る本物の酒」
どの程度影響したのかは不明だが、
日本酒の熟成についての理解が深まり、
実際に自分で熟成を愉しむようになった
日本酒好きも多いようだ。

これまでは、長期熟成酒研究会などの活動で、
熟成酒を広まる努力はされていたものの、
長期熟成酒、あるいは、
古酒というものは特別な日本酒として扱われていた。
長期熟成酒研究会の長年の活動は、
日本酒の熟成についての知識を広めるために、
大きな貢献をしている。
しかし、取り扱い方が、
普通の日本酒と長期熟成酒は
別というイメージを酒飲みに埋め込んでいるのは
マイナスとなっている。

もう一つは、長期熟成酒研究会で出品される
長期熟成酒が玉石混交で、
すべてが旨いというわけではない点だ。
もちろん、素晴らしい造りで、とてもいい長期熟成酒もある。
しかし、造りがよくなくて、
熟成させても美味しくならない日本酒であっても、
何でも熟成させて出品しているという感が強い。

日本酒の熟成は、
本来のいい造りの酒を美味しく飲むために必要だ、
という観点での、熟成酒の訴求が必要だ。
このような取り組みを日本酒業界が一丸となってやってこそ、
日本酒の明日がある。


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2006年2月13日(月)

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