“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第389回
天然牡蠣と伊勢海老を堪能

久しぶりに新大久保にある、
メディア露出を頑なに拒否しているレストランを訪問した。
この店は完全予約制で看板も出していないが、
当日の客は我々だけだった。

今回はクレマン・ド・ブルゴーニュを持ち込んだ。
持ち込み料はワインの種類に関わらず、
一律3000円と明快な会計システム。
このクレマン・ド・ブルゴーニュは綺麗な造りで、
こちらの天然素材の味わいを最大限活かした料理に合う
と考えたからだ。
まずは自家製のパンが4種類並ぶ。

そして、前菜。
ヤリイカのトマトソース、カスゴ、店主の自宅の蕗の薹の天麩羅。
クレマン・ド・ブルゴーニュが進む。
次にでてきたのが、天然牡蠣。
宮崎と高知のもので、宮崎の漁師は潜って獲るという。
高知は岸から棒でつついてはがしたものだそうだ。
天然牡蠣は二月の今頃がまさに旬。
養殖の牡蠣が十月から出回るのは、
天然牡蠣と同時期では負けるので、
天然牡蠣の旬より早めて出荷し始めた経緯があるらしい。
しかし、その心配ももう必要はないほど、
天然牡蠣は滅多に見かけない。
この2箇所の生牡蠣が一つずつ。
それに、加熱した牡蠣が3個並んでいる。

まずは、生牡蠣をいただく。
高知の牡蠣のほうが酸味があって食べやすい。
宮崎のほうは甘みはあるが、
生状態ではバランスがいくらか悪い。
次に加熱のものをいただく。
宮崎の牡蠣はシンプルに焼いたもの、
ガーリック味に仕立てたものの2種類。
高知の牡蠣は香草を絡めて焼いたものが一つ。
加熱すると宮崎の牡蠣のバランスがとたんによくなる。
特にガーリック味のものが発泡ワインにとてもよく合った。

最後がやはり高知の天然の伊勢海老。
活きている大きな伊勢海老をその場で捌いて、
頭と殻は包丁でたたいて炒めて、
そこに出汁を加えてスープ仕立てにする。
身は別に炒めてそれを合わせる。
この伊勢海老スープにはプチシャブリを合わせる。
まさに至福の味。
伊勢海老の旨みをスープと身と二度味わえる。
デザートも相変わらず秀逸。
ピエモンテの赤と白の微発泡デザートワインを合わせると、
お互いに甘みを引き合ってバランスのいい味わいになる。
最後に紅茶をいただいて、極上のディナーが終了。
大変満足できる一夜であった。


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2006年2月23日(木)

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