“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第394回
最近の「にごり酒」、「発泡日本酒」が面白い

昔は「にごり酒」というと、
ねっとりと白く濁っている日本酒で、
田舎臭いやや甘めの味わいのものがほとんどだった。
ところが、現在は昔のイメージを払拭する
素晴らしい「にごり酒」をいくつかの蔵が造っている。

「にごり酒」の定義は明確に決まっているわけではなく、
製法も何種類かあるが、
ここでは「滓がらみ」、「発泡日本酒」も含めて、
『透明に濾過、あるいは清澄、あるいは滓びきしていない日本酒』
ということにして幅広く紹介したい。

まずは、秋鹿酒造の「霙もよう」(みぞれもよう)。
これは醸造年度によっては強く発泡しているものもあり、
開栓のときに注意しないと、中身がふきあがってしまう。
白く濁っている外見とは違った、素晴らしい切れのある味わい。
私は酒宴のスターターとしてビールがわりに飲むことが多い。
特に、この酒を知らない人に飲んでいただくと、
その濃い旨みと、後を引かない切れという、
一見相反する味わいが同居していることに驚かれる。

手前味噌になるが、
同じ秋鹿の「クレマンド・ノゼ」も面白い。
こちらは、No.77という多酸系酵母を使っていて、
やや甘みを持っていて、
シャンパンを米で造ったかのような旨みがある。
実は、私の企画提案したもので、
そのイメージどおりのものを秋鹿酒造は造ってくれた。
ラベルの絵も私が描いたもの。

鳥取の銘酒である諏訪泉の「うすにごり」は
バランスのいい、柔らかい味わいが特長。
米の旨みがよくでている。
秋鹿は肉系の脂によく合うが、
諏訪泉「うすにごり」は魚にもよく合う。

そして、宗玄「にごり酒」。
奥深い宗玄の味わいが凝縮されていて、
しかも、綺麗で嫌な味が皆無。
私の研究室の学生の間でも大人気だ。


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2006年3月2日(木)

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