“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第418回
懐かしい味、佐野ラーメン

椎茸栽培の前日の朝から参加したのは、私を含めて三名。
新宿で待ち合わせて、私の車で栃木へ向かった。
首都高は土曜日で結構混んでいる。
三宅坂を抜けるまでに三十分ほどかかってしまった。
その後はまあまあスムースに移動できた。
佐野市に到着したのが、10時半。
佐野市では「とかの」か「叶屋」の
どちらかにしようと考えていた。

最初に「とかの」を訪問。
老舗の佐野ラーメン店で、地元で絶大な人気がある。
10時40分に店に到着したら、開店は11時半という。
「叶屋」はもしかして、もう少し早く開店しているかと
僅かな期待を持って行ってみたら、
やはり同じ11時半開店。
こちらは十年くらい前に訪問したことがあるが、
そのときは小さい木造の店だったのが、
いまではビルになっていた。
この時点で「とかの」に心が動く。

やむなく、近くの提燈と和傘を作っている商店を訪問し、
ご主人から
「最近はこのような和の伝統民芸も売れない。
 職人も激減している。」
という寂しい話を聴いて、すっかり話し込んでしまった。
結局「とかの」へ戻ったのが11時20分。
開店10分前だが二十名くらいの行列ができていた。
店は古い建屋のままで、十数名しか入らない。
結局、開店時には我々の二つ前のグループまでしか入れなかった。

30分ほど待って、やっと入店。
ほとんど客は全員入れ替えのような感じになっている。
カウンターにすわり、
ラーメン550円と餃子を三人で二人前注文。
カウンターから厨房が見えるが、
二、三人前の少数づつ丁寧に作っている。
これなら出てくるまでの時間がかかるはずと納得。

いよいよラーメンが運ばれてきた。
スープが澄んでいて、綺麗。
最近の東京ではやっている濁ったスープを見慣れていると、
昔懐かしいのと同時に、新鮮さを感じる。
味は出汁は薄味でよくでているが、
塩味が勝ちすぎていてしょっぱい。
麺は青竹を使った手打ち。
やや平たく、少し縮れていて、スープの絡まりがとてもいい。
化学調味料もそれほど目立つほどではなく、
総合的には旨いラーメンだ。

餃子はプリッと張りのある、大きめのもの。
艶があり色気を感じる。
食べるとジューシー。
皮の焦げ方もとてもいい。
満腹になって店をあとに苺農園に向かう。
久しぶりの佐野ラーメンは、
昔懐かしい東京ラーメンの味を感じた。


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2006年4月5日(水)

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