“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第419回
絶品の栃乙女

都賀にある刑部農園は以前にも紹介したが、
まさに絶品の栃乙女を作っている。
刑部さんとは、以前宇都宮のブロンコというライブハウスの
ママの自宅で行った宴会で知り合った。
そこで、自家栽培蕎麦を手打ちにしてご馳走したので、
その美味しさをいまでも覚えていてくれる。

刑部苺農園に午後1時ころ到着したところ、
ご主人はビニールハウスの前にある畑で、
苺の苗を植えているところだった。
声をかけてビニールハウスの中を見せてもらう。
広大なビニールハウスのなかは、整然と畝ができていて、
そこに苺が這うように植わっていてツルを伸ばしている。
苺の花は白の可愛らしいもの。
それが、小さい白い苺に変化し、
さらに熟成した真っ赤なものも点在している。
上品な甘い香りがビニールハウスのなかを漂っている。

フリージアの花が植えられていて、
ルネッサンス期の絵画でよく描いている天国のようだ。
このフリージアの花は蜜蜂の餌。
巣箱が二つおいてあり、蜂がせっせと蜜を集めている。
蜂によって交配を進めている。
4月の初めに苗を植えて、8月から9月にかけて苗を引き上げて、
夜は冷蔵庫に入れるそうだ。
これは、秋が来たと苺に思い込ませて、
果実が確実にできるようにする手法。
苺というと、夏はなにもしなくてもいい
楽な農作物と思われがちだが、
オフシーズンの手入れも大変だそうだ。

そんな手間隙かけて栽培した栃乙女は、最高。
ビニールハウスの見学のあとで、
刑部さんの奥様が身の選別を行っている作業場を訪れ、
試食させてもらった。
粒揃えの悪いものや、ちょっとでもつぶれているものを
除去しているが、それがまた旨い。
特に小さいうちに熟しているものは、
凝縮した甘みがあって、酸味のバランスもいい。
車のなかでも食べてってと、いただいた不揃いの苺たちは、
優等生以上の旨さだった。


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2006年4月6日(木)

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