“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第522回
胡桃亭で極上の蕎麦と北海道の海の幸

今回、小樽から取り寄せたのは
馬糞海胆、厚岸の牡蠣、活タラバを取り寄せた。
日本海側の馬糞海胆はまさに8月が旬。
9月になると太平洋側に切り替わる。

まずは「胡麻豆腐海胆和え」。
胡麻豆腐のプリとした弾力に海胆の甘みが溶け込んで旨い。
これには、悦凱陣がよく合う。
特に讃州雄町の山廃H12BYを大学で常温熟成したものの、
熟成の甘みが海胆にかちっとあう。
次が「蕎麦掻揚げ海胆風味」。
こちらは、蕎麦掻に海胆を塗って揚げたもの。
海胆が香ばしい。
そして、「蕎麦掻」。
村上さんの蕎麦掻はあいかわらず好調。
粗挽き粉の特有の風味の豊かさを最大限活かして、
ふわっと仕上げてある。

そして、いよいよ「茹でタラバ」登場。
ちょっと火を通しすぎか、蟹肉が足の殻からはがれにくいが、
十分な甘み。
一同、会話が少なくなって、蟹にしゃぶりついている。
そして、村上さんが渓流でこの日のために釣ってきた
川魚の面々が登場。
「山女唐揚げ」のコンパクトな味わいは、
これまで海の幸のインパクトから、落ち着いた味覚へユーターン。
とてもいい酒肴で悦凱陣、奥播磨、るみ子の酒など、
どんどんと少なくなっていく。
悦凱陣H12BYを超熱燗にして「かじか骨酒」がまた旨い。
かじかを焼いた香ばしさを凱陣の厚みのある味わいが包んでくれる。

さて、馬頭の農家からいただいてきた「猪焼き」。
今回は子供の猪だったということで、柔らかい肉だ。
しかし、十分な野趣あふれる旨みがある。
「信濃蒸し」は、蕎麦を湯葉で包み、蒸したもので、
やさしい味わいに口のなかが、また落ち着いてくる。
その後でいよいよ牡蠣が登場するための、中継ぎともなっている。

さては、まず「厚岸生牡蠣」。
厚岸は内湾、外湾の温度差を利用して、
産卵時季をずらして養殖をしているので、
夏でも生牡蠣が食べられる。
相変わらずの綺麗な旨み。これも凱陣がよく合う。
次が焼き牡蠣。
やはり牡蠣は焼くに限る。
殻に残っている汁を落とさぬように牡蠣を食べ、
最後のその旨みあふれる汁をすする。
で、もうお腹いっぱいと思っていたところに、
とどめの「せいろ蕎麦」。
超粗挽き粉で打った蕎麦切りは、相変わらず力強い甘みがある。
満杯になった胃のどこに入るのかと思っていたのが、
予想外にスムースに全食してしまった。

そのあとも、酒宴は深夜にまで続いた。


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2006年8月29日(火)

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