“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第530回
台湾小皿料理の老舗「青葉」に満足

台北では、高級中国料理店には行かずじまいであったが、
大衆的な台湾料理屋はとても美味しく愉しめた。
しかも、とても安い。
学会が終了した最後の晩は、
「邱永漢の実務手帖」で邱さんが勧めている、
「青葉」を訪問した。
狭い間取りの入り口を通ると
ウナギの寝床のような奥に長い店で結構広い。
大衆的な雰囲気がなんともいえない。
何組ものグループが食事を愉しんでいる。
入り口のすぐ脇の6席の円卓が並んでいる部屋に通された。

早速注文。
店員は日本語が使える。
まずは「蜆醤油漬け」と「牡蠣オイル漬け」、
「ワタリガニ揚げ」、「青菜炒め」、「麻婆茄子」を注文。
台湾ビールで乾杯して、台北最後の酒宴は始まった。
蜆醤油漬けは、これまで日本で経験したことのない味。
何かというと、味が軽い、しかし奥深いのだ。
日本の台湾小皿料理店で提供されるものは、
醤油と大蒜の味の角が尖っていて、
最初の一口のインパクトが強い。
しかし、青葉の蜆醤油漬けは、当たりが柔らかく、
それでいて、口のなかで次第に醤油と蜆のコクが
次第に広がってくる。
実に奥深い味わいで、蜆ならずシミジミとした味。
それで切れもあるので、紹興酒に実によく合う味わいだった。

牡蠣オイル漬けも薄味で、一度食べるとあとを引き、
また一つと食べたくなってくる。
こちらも紹興酒によく合う。
「ワタリガニ揚げ」も、
カラッと揚がった食感のなかから旨みが溢れてくる。
熱々の蟹を殻ごとかぶりつくと、
海の香りが口のなかに広がる。
青菜炒めと麻婆茄子もあっさりとしたいい味付け。
ヘルシー感がある。

最後に食事は「焼きビーフン」、「海老チャーハン」、
それに「鼈スープ」、「衣笠茸のスープ」をいただく。
どれも逸品。
これで、4人がお腹いっぱいになって、13000円程度。
台北最後の食事もとても満足できるものであった。


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2006年9月8日(金)

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