“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第535回
銀座「こびき」で宴が続く

刺身の次には、
「秋鮭の西京焼き、北海道産南京煮、茄子精進煮 」と
「ブランデー栗、翡翠銀杏 」が
同じ皿の中に綺麗に並べられて提供される。
秋鮭の西京焼きはまわりが
こんがりとパリパリの皮がついていて、
西京味噌の風味が漂う。
奥播磨の山廃純米か宗玄の雄町が合う。
茄子精進煮は、薄味の出汁が浸みついていて、
ひんやりとした食感がまたいい。
ブランデーに漬けた栗もアクセントとなっている。

その次の「新潟親知らず 岩がき」の大きさに一同驚いていた。
大きさに味がまた負けていない。
食べたとたんに、日本海の潮の香りがテーブルに漂う。
これは、やはり宗玄雄町か奥播磨がいい。
牡蠣を食いちぎって口のなかに入れて、
そこに日本酒をすかさず注ぎ込む。
牡蠣と日本酒が一体となったところは、
本当に両方の味がさらに昇華されて幸せいっぱい。

次の「子持ち落ち鮎の有馬煮 」も、
どうしてこんな味に仕上げられるのだろうか、
というほど、落ち着いた後を引く味わいだった。
これまでの華やかな流れを一気に引き締めてくれる。
さらに、「江戸前大羽いわしのなめろう」は
味噌の味がそれほど濃くない程度にまとめていて、極めて上品。
そろそろ最後に近づいているという予感を感じさせる。

揚げ物の「海老真丈、松茸フライ」は
奥能登の天然塩で食べると、香りが口のなかにあふれてくる。
これでもう、お腹いっぱいと思っていたら、
ダメ押しの「寿司盛り合わせ」に「鱸のあら汁」。
寿司もさすがにこれだけいい魚を使っているので、とても美味。
「鱸のあら汁」は、村公一さんの鱸のあらでとったもの。
ぜんぜん生臭さなどなく、旨みだけが傑出している。

参加された皆様も大満足の様子で、
銀座「こびき」を会場にして、大正解であった。


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2006年9月15日(金)

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