“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第552回
究極の割烹

たぶん、日本一。
これまで、懐石料理は高級店、気楽な割烹など、
いろいろな店で食べてきたが、
これほど満足できる店にであったことは無い。
というか、料理の概念が全然違うのだ。

おそらく、私のような自然の味にこだわっていない客には、
あまり評価されないだろう。
派手さなど一切ないから。
最初の料理に引き込まれ、
次に提供される皿が待ち遠しくなる。
料理が進むたびに満足度は高くなる。
そして、全てを食べ終わったときに、満足度は最高になる。
また、これまで提供されてきた一品一品の流れに
理由があったことが分かる。

岩本さんの店はそんな店だ。
これまで、行くたびに
さらに新しい美味しさを発見させてくれる。

今回は村さん夫妻に、
神楽坂のイタリアン・フレンチのレストランをやっている
Iさんも加わり、4名で訪問した。
夜来るのは久しぶり。
徳島市内のホテルでチェックインしてから、
村さんの車で山のほうへ向かう。
あたりはだんだんと暗くなり、
遠くの山の端が夕焼けを背景にして輝いている。
店に到着した頃には、随分当たりは暗くなってきて、
玄関の灯りが暖かく迎えてくれた。

1階の座敷に通される。
2部屋あって、客は我々だけ。
隣の部屋とは薄い襖を通して灯りが洩れてくるのが、
またなんともいえない情緒を醸し出している。
庭の木々の刈り込みの先には、田畑が広がり、
その先に山裾が広がっている。
黄昏が降りてくるとともに、
庭と周囲の自然が一体となって見えてくる。
ゆったりと、自然のなかに浸ると、
その日の出来事がゆっくりと想いだされてくる。

そんな感傷に浸っているところに、
まずは自家製梅酒が運ばれてきた。
クラッシュアイスが入っている。
爽やかな香りに、食欲が蘇ってきた。
そして、初秋の岩本さんの懐石コースがスタートした。


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2006年10月10日(火)

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