“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第572回
究極の焼肉「虎の穴」恵比寿店の至福

超美食会に来ていただいた方から、
兄が焼肉店をやっているという話を伺った。
どこの店かと思ったら、なんと「虎の穴」。
麻布店、大橋店にはよく通ったものだが、
しばらく行く機会がなかった。
恵比寿店も行ったことがなかったので、早速訪問してみた。

恵比寿の駅から料理屋やブティックの並ぶ通りを
5分くらい歩いて、繁華街が途切れるころに到着。
これだけ不便な場所だが、店は満席。
焼肉を頬張る客、愉しそうにビールを飲みながら歓談する客と
活気に溢れている。
早速、オーナーの辛さんが挨拶にくる。
辛さんは、始終客席を回りながら、
肉の焼き方を細かく指導している。
また、焼いている肉が食べごろになっているか、
と気を使っている。

妹さんから
美味しいもの好きという紹介があったのかどうか分からないが、
「肉はどの部位が好きですか」とまず尋ねられる。
「臓物です」と即答。
「それなら、こちらも気合を入れてできます」と、辛さん。
そして、「鮨屋はどこが好きですか」と、
また辛さんからの質問。
「最近よく行くのは『しみづ』です」という答えが、
辛さんの好みにもあっていたようで、
彼は「しみづ」はまだ訪問したことがないが、
清水さんの修行先の「鶴八」が一番の好みという。
そんな会話で、これからの美味しい展開が予測され、
期待に満ちてくる。
全て辛さんにおまかせで出してもらうことにした。

まずは、前菜。
・豆苗
・大豆
・レバ刺し
・ミノ刺し
・生ワタリガニの焼酎ピリ辛タレ漬

「レバ刺し」はピリ辛の醤油だれにちょっと漬けて、
そのあと、塩胡麻油も絡める。
新鮮で、臭さは皆無。
綺麗な旨みが舌の上を転がっていく。
「ミノ刺し」は二杯酢でいただく。
こちらも、しこしこした食感と深みのある味わいで嬉しくなる。
ワタリガニがまた至福。
生の蟹をピリ辛の醤油と焼酎のタレに漬けたものだが、
上海蟹の上を行く。
前菜から辛さんの世界の入り口に案内され、
これからの焼肉への期待がいよいよ深まってきた。


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2006年11月7日(火)

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