“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第576回
「こいけ」の蕎麦はご主人の人柄の味

秩父「こいけ」の蕎麦屋酒は続く。
天麩羅は、レンコン、小海老、椎茸、牛蒡など。
熱々のものをいただき、木戸泉に合わせる。
天麩羅と純米酒も相互に旨みを補完してくれる
そうしているうちに、すかさず、蕎麦掻もでてきた。
こちらの蕎麦掻は餃子くらいの大きさのもので、
数個が丼に張られたお湯に浮かんでいる。
それを蕎麦汁でいただく。
蕎麦切は麺としての食感が加わるが、
蕎麦掻はダイレクトに蕎麦の風味、味わいが伝わってくる。
冬場の力強い味わいにはまだちょっと達していないが、
繊細な香りが心地よい。

こちらも、木戸泉が進み、
またたくうちに1合が空になったので、もう1杯お願いした。
そうしたら、今度でてきたのは、木戸泉山廃純米。
こちらも酸のキレが素晴らしい。
次の酒肴がこれまた極めつけ。
同じ蕎麦掻を揚げたというシンプルなもの。
カリっとした表面を食い破ると
柔らかい食感で蕎麦の甘みが迫ってくる。
山廃純米との相性も抜群。
すっかりと昼からいい気分になってしまった。

そして、自家製の瓜、生姜、大根の漬物がにくい。
口のなかの蕎麦掻の粘着した食感を流してくれる。
そうした状況を作ったうえで、
蕎麦切としてせいろ蕎麦が提供される。
蕎麦の甘みはまだまだだが、香りは十分立ってきている。
太さ、腰もオーソドックスなもので、食感がとてもいい。
そして、実に素直な味。
まさに、ご主人の小池重雄さんの人柄を
そのまま蕎麦にしたようだ。
あとで聞いたらまだ北海道産とのこと。

11月の半ばには新潟産の蕎麦が提供され、
11月末になれば秩父の在来種が
いよいよ蕎麦切となって登場する。
秩父の在来種は残念ながらまだいただいたことがないが、
味わいの深い蕎麦だそうだ。
次回は冬場に「こいけ」を訪問しようという
モチベーションが高まってきた。


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2006年11月13日(月)

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