“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第583回
極上の食材を最大味わうための調理

「世界一旨い日本酒の会」のお品書きは
最終的に次のようになった。

お品書き

一、 前菜  梅酒の梅の和三盆煮
        温泉玉子
        おぼろ豆腐
        大根スティック
一、 お造り 八角、スミイカ
一、 焼き物 蝦夷鮑の肝焼き
一、 煮物  風呂吹き大根
        茄子の含め煮
一、 揚げ物 シシャモの唐揚
一、 鍋  八角のしゃぶしゃぶ
      湯豆腐
一、 食事  蕎麦雑炊
一、 水菓子 栃乙女

これらの料理は、
まずはこの時季の最高の食材を選択して、
それを最大に美味しく味わうことを考え、
全体のバランス、味と温度の流れなどを考慮して、決定した。

まずは、前菜は梅酒で5年間漬けてあった梅。
これを徳島の岡田製糖の和三盆で煮る。
梅はあらかじめ串で周りに穴をたくさん開けておき、
煮汁が染み込みやすいようにしておく。
それで、ひたひたの水の量に和三盆を加えてコトコト煮こむ。
水がだいぶなくなってきたら火を止めて、
そのまま自然に冷ます。
このときに、梅酒を少し加えて風味をよくする。

次が温泉玉子。
あらいファームの烏骨鶏か
アローカナの卵にしようと思っていたが、
直前に連絡したら、最近は注文が殺到していて
3日後でないと出荷できないという。
あきらめて、西友ストアで一番よさそうな玉子を購入した。
事前に八方出汁を作っておく。
これは、羅臼昆布の葉切れと、枕崎「丸久」の本枯節を使う。
蕎麦の出汁のように煮込んでも。
丸久の鰹節は生臭みもエグミも出なくて、深い味わいになる。
それに、初雁醤油に九重桜味醂を合わせる。
玉子は、最初は65℃でしばらく熱して、最後に70℃に上げる。
白身と黄身の凝固温度に差があるからだ。
こうして、提供した前菜は大好評。
まずは、来客の胃袋を開くことができた。


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2006年11月22日(水)

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