“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第584回
宴は続く

前菜で提供した大根スティックの大根は、三浦大根。
いまでは三浦半島で商売として作っている数少ない農家の
「たかいく農場」製。
三浦大根は12月に入ってピークを迎えるが、
11月中旬でも十分な甘みがあり、青首大根とは一線を画す。

そして、おぼろ豆腐はもちろん横浜「宮城屋」製。
醤油もつけずに食べて、大豆の甘みを感じる。
それにさらに、粗塩で食べると
とろっと甘みが溶け出すようで、口のなかが幸せいっぱいになる。

お造りは、主題の八角だけではちょっと寂しいので、
築地場内市場でスミイカを前日に仕入れておいた。
そして、前日さばいて一晩寝かしたものを切って提供。
熟成のもちもち感に甘みがプラスして至福。
八角ももちろん旨い。

風呂吹き大根はもちろん三浦大根。
当日に水に昆布と酒を加えてコトコト煮たもの。
熱々状態で提供する。
大根の力強い甘みが素晴らしい。

茄子含め煮は、
大学の近くの西友ストアで購入した有機栽培のものを使用。
前日に調理して、一晩冷やしておいた。
これは、茄子の皮に細かく包丁目を入れてから
胡麻油で皮がしなっとなるまで炒めておいて、
それから、昆布・鰹の出汁に醤油と味醂を加えて煮たもの。
どこの割烹でも普通にだしている料理だが、
出汁の旨さが決め手となる。
見た目が普通なのに、
旨みが突出しているところに意外性があって、
一度食べると病みつきになること請け合い。

シシャモの唐揚は、
鵡川町シシャモを小樽で一夜干ししてあるものを使用。
新鮮なだけに、旨みがダイレクトに味わえる。
シシャモは焼いて提供されることが多いので、
意外性も演出できる。
この生のシシャモが出回る時季が、まさに唐揚の真骨頂。
そして、湯豆腐ももちろん宮城屋の豆腐。
八角の出汁と豆腐の大豆の旨みが調和して、
なんともいえばい酒肴となる。

最後の蕎麦雑炊、
そして、栃木県都賀町の刑部苺農場の栃乙女でトドメ。
この苺を食べると他の苺が食べられなくなるほど、
芳醇な甘みと酸味が愉しめる。

結局、デザートまで完食したのが午前1時。
ほとんどのメンバーは終電がなくなっても帰らなかった。
次回は、もう少し早くスタートできるように工夫をするつもりだ。


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2006年11月23日(木)

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