“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第592回
上海蟹を満喫

久しぶりに赤坂「涵梅舫」(かんめいほう)でランチ。
今年最後になるかもしれない上海蟹を食べに行った。
今年最初の上海蟹は壱岐の会の余りをいただいて、
自宅で蒸して食べたこと。
そして次が新大久保のレストラン。

上海蟹は「チュウゴクモクズガニ」が正式名称。
日本のモクズ蟹と同じ種類らしく、
モクズ蟹も今年はたくさん食べている。
しかし、上海蟹はやはり中華が合うし、
モクズ蟹は和が合うような気がして、微妙な味の差を感じる。

「涵梅舫」では、まずはセロリーの前菜でスタート。
皿にはレモンが敷いてあり、
セロリーはさっと油で火を通してあって、爽やか。
前菜にふさわしい皿だった。
最初は軽くビール。
そして、紹興酒の5年熟成を燗してもらう。
次が「フカヒレの宮廷風姿煮」。
このスープはナイタンと呼ばれているもので、
骨つき豚すね肉、鴨、鶏、干貝を
8時間以上煮こんだゼラチン状の深い味わいで、
フカヒレのプルンプルンしたコラーゲンにまつわりついて、
なんとも言えない幸せ気分。

そして、いよいよ上海蟹。
甲羅には「無錫太湖」の文字が刻まれている。
ここの上海蟹は「陽澄湖」とならんで最高とされている。
甲羅は簡単にはずせるように捌いてある。
はずしたあとは、専用の鋏とスティックで
内子、外子、蟹肉をほぐして食べる。
濃厚な味わいで、紹興酒との相性は抜群。
特に内子が素晴らしい味わいと香り。
口のなかが幸せだらけ。
足やハサミも丁寧に殻を切って中身を掻き出して完食。
10月は雌、11月は雄と言われてはいるが、
11月の雌も十分旨かった。

次が龍須麺。
1本の太い麺から手で2倍、4倍と分けて、
エンジェルヘアの細さまで倍々して作った麺が
乾燥して提供される。
これを、金華ハム、鹿肉など何種類もの食材を
何時間も煮込んだ深い味付けの湯(たん)に
レンゲを使って沈めて、麺がふやけてきたら食べる。
湯の旨みと、エンジェルヘアが口のなかで溶けだす食感が
なんともいえない。
最後にデザートで〆て、とても満足した。
「涵梅舫」はこの12月に新宿御苑に支店がオープンする。
新宿御苑も美食の激戦区になりそうだ。


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2006年12月5日(火)

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