“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第593回
ビールも熟成して旨くなる

以前、日本の地ビールはまだまだということを
このコラムに書いたことがある。
そして、熱心な地ビール好きの読者の方から、
「そんなことはない、両国『ポパイ』に行けば
日本の地ビール醸造所が頑張っていることがよくわかる」
というご意見をいただいた。

というわけで、一度ポパイを訪問しようと思っていて、
なかなかその機会がなかった。
ところが、ビールに造詣の深い飲み仲間のTさんの案内で
ポパイのビールを堪能する会を開催することになった。
その詳細は、このコラムで別途紹介しようと思うが、
一番の印象は日本の地ビールも色々な個性があり、
とてもよく頑張っているということ。
そして、適切に管理されて
熟成されたビールが旨いということだった。
それが、ワイン、日本酒と全く同じ原理。
醸造酒の熟成の原理がここで一つにつながったので、
とてもいい勉強になった。

ポパイの店主の青木さんは数十種の生ビールを客に提供する。
それらのビールは1日であくことはない。
従って同じビールを何日も出さないとならない。
そうすると、スーパードライのような、
フレッシュ感に重きを置いたビールでは劣化が激しく、
日が経つと商品としては出せなくなる。
つまり、やわい造りのビールはおけないわけだ。
そこで、青木さんはしっかりと造られていて、
熟成するほど旨みが増すビールを厳選して置いている。
これは、まさに高田馬場「真菜板」の日本酒に
通じるところがある。
日本酒も熟成に向くものは、
開栓して日が経つほど味が乗ってくる。
ビールも全く同じというわけだ。

T氏によるとポパイが開店したときに、
そこまで理解しているビール好きは非常に少ないので、
店の経営が成り立つかどうか心配して、
応援のエールを贈ったという。
いまではポパイは連日ビール好きで満席。
しかし、ここのビールの真髄を本当にわかっているのは、
その客の1割程度の常連だけではないかという。

明日のコラムに、
それぞれの銘柄の美味しさなどを紹介したい。


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2006年12月6日(水)

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