“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第599回
カラスミは今年も極上の味

自家製カラスミが完成した。
開運純米酒につけていた鯔子を1日で取り出し、
焼酎を塗ってから乾燥させる。
市販のカラスミは乾燥させるときに、
アクリル板、ガラス板などで挟んで圧力をかけて、
カチカチに固めるが、古川流は圧力をかけない。
自然に乾燥させたほうが、なかの粒粒が残っていて、
食感が心地いい。
ただし、固めないと日持ちしにくいという欠点はある。
博多の「お半」では偶然だが、
私の作り方とほとんど同じやり方で作った
柔らかいカラスミを提供する。
こちらでは、完成品を真空パックで保存しているので、
結構長持ちするそうだ。
真空パック機も安くなったので、購入してもいいかもしれない。

焼酎を塗るのは、殺菌の目的もあるが、
味が締まると渋谷「みつひさ」の橋浦さんが言っていたので、
真似をしている。
ただし、焼酎もいい造りのものを使用している。
今年は屋内で自然に乾燥させたので、
固まるのに10日間ほどかかった。
最後の2日間は外の日陰のところで干して、
表面が硬く締まるようにする。
干し終わってから、
再度焼酎を表面に塗って一つ一つラップして完成。
今年は全部で20腹の40個ほど製作した。
このうちいくらかを、
高田馬場の懇意な居酒屋には、原価で分けている。

先日も、そちらの居酒屋で
自家製カラスミを肴に無濾過純米生原酒を愉しんだ。
日本酒ライターやグルメ雑誌編集長の飲み友達と
たまたま同席したが、彼らもこのカラスミは絶賛していた。
市販のカラスミや
割烹や居酒屋の自家製のカラスミのほとんどは、
日持ちさせるためと、
生臭さを排除するために塩漬けの期間が長く、
3日間くらい漬ける場合が多い。
私の場合は雑身の少ない高品質の鯔子を使っているので、
塩漬けの期間をあまり長くする必要がない。
塩を甘くすることによって自然な味わいを提供し、
自然乾燥によって、粒粒の食感を愉しめるようにしている。
冷凍しておけば、そこそこの期間は保存できるので、
この自然流カラスミ製作法はお勧めだ。


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2006年12月14日(木)

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