“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第605回
自家栽培蕎麦はやはり濃い味

村上さんの次の酒肴は、合鴨のレバーとハツ。
これは近くの農家が合鴨農法をしていて、
その鴨を分けてもらったという。

まずは、レバーとハツを単純に焼いたもの。
ハツのプルンとした食感に血の野趣味がとても快感。
レバーは美味しいが、もう少し工夫があるといいかと思い、
ガーリックバター焼きを提案。
すぐに村上さんが作ってくれた。
合鴨レバーのガーリックバター焼きに
ちょっと生姜を漬けて食べる。
これが、酒肴として最高。
どんどんと燗酒が入ること。

そして、鮟鱇鍋も食べ頃になってくる。
今回は味噌に初駒の大吟醸粕、
鮟肝を和えたものを、出汁に混ぜてある。
この合わせた出汁が淡白な鮟鱇に旨みを乗せて、
アンコウのコラーゲンたっぷりのプリプリ感と呼応して、
まさに天国に行く味。

そうしているうちに、蕎麦寿司が提供される。
村上さんの蕎麦寿司も絶品。
酢がほどよく利いていて、
自家栽培蕎麦の味わいをよく引き出している。
さらに、茶碗蒸し。
蕎麦掻が入っていて、こちらの蕎麦掻は固めに仕上げてある。
玉子と出汁と蕎麦の協演。
純米無濾過生原酒もどんどんと無くなっていく。

そうしているところに、厚岸の牡蠣。
最初は生牡蠣。
次が焼き牡蠣。
ノロウィルスが流行していて、
牡蠣の売り上げが激減しているらしいが、
この厚岸の牡蠣が食べられれば、
多少ノロウィルスにかかってもいいかというほどの、極上の味。
もちろん、厚岸漁労組合では出荷は万全で心配はない。
さらに、帆立焼き、合鴨の鍬焼きと続いて、
お腹がはちきれそうになってくる。
もういいかという頃に、本日の主役である蕎麦切登場。

まずは、馬頭の畑の蕎麦。
瑞々しい姿で「せいろ」に乗って登場。
流石に旨く、今年は上品で繊細な味。
しかし、昨年のような野生のハネた感じがやや不足している。
次が芳賀町の畑の蕎麦。
こちらのほうが、さらに淡白。
しかし、もちろん普通の手打ち蕎麦屋で出す蕎麦とは、
一線を画する旨さはある。

今年は、昨年のような
野生の蕎麦といった味が何故しなかったのか、
その場の議論となった。
考えられることは、雑草との戦いが少なかったことと、
収穫時季が少し早かったこと。
蕎麦栽培は難しい。
来年以降、種蒔の時季などをずらして、
いろいろと試してみようということになった。
まだまだ、蕎麦の道は奥深い。


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2006年12月22日(金)

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