“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第611回
熟成日本酒の宴

以前、池袋から南長崎に移転したばかりの
「甲州屋児玉商店」には、毎週のように通った。
特に土曜には、数名の常連が集まって奥の座敷にあがり、
酒肴を持ち込んで酒盛りをするのが常。
土曜クラブと称して愉しんでいた。

そんな、甲州屋で知ったことは、
地酒の旨さと、その熟成したものの旨さ。
特に、いい造りの純米酒を常温で長期間保存したものは、
天国にも登る思い。
日本酒の熟成の神秘に浸っていた。
その甲州屋も数年前に事情があって店を閉めた。
その頃に自然とできたのが、「熟成日本酒を愉しむ会」。
池袋の「味里」という地酒居酒屋に熟成酒好きが集まって、
自家熟成の日本酒を持ち寄り、酒盛りをしていた。

その「味里」も数年前に閉店し、
店長だった杉田さんは高田馬場に自分の店「真菜板」を
1998年に開店した。
その真菜板で「も熟成日本酒を愉しむ会」を続けていたが、
しばらくとぎれていた。
それを、2年ぶりに開催しようという呼びかけがあった。
そこで、甲州屋に通っていた頃に、実験的に購入して、
自宅の床下においてあった日本酒を持っていくことにした。
床下を十年ぶりに調査してみる。
床下収納のユニットをガラっとはずして、その横を見る。
まだあった。
ビニール袋に入れて保管した、
4合瓶数本がそのまま残っていた。
そのなかで、今回持っていくべき熟成日本酒を選定。
いろいろと考えたのち、
大七「極上」1995酒造年度醸造、
神亀「ひこ孫」1991酒造年度醸造、
鷹勇「特別純米酒」山田錦・玉栄50%精米1992酒造年度熟成
の3本を持っていくことにした。

神亀といえば、最近飲み仲間の上野敏彦氏が
「闘う純米酒、神亀ひこ孫物語」を出版した。
この本には、神亀酒造の小川原専務が
純米酒づくりに懸けた人生を紹介している。
長年の取材を経て出版にこぎつけたもので、
日本酒の本質を知るのにとてもいい本だ。
さて、大七、神亀、鷹勇を持参して、真菜板を訪問。
昔懐かしい仲間が次々と集まってきて、
「熟成日本酒を愉しむ会」が開始された。


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2007年1月8日(月)

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