“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第616回
巨大たらは極上の味

巨大たらを捌くのは、見かけほど大変ではなかった。
まずは、胸鰭の後ろから皮を一回り切って、
頭に内蔵をつけたまま落とす。
初日の雄は大切な白子がついてきているので、
傷をつけないように、丁寧に作業をした。
内蔵はとても綺麗な色をして、ぷりぷり。
肝がどでかい。
鮟肝に匹敵する大きさだ。
見た目では、とてもこってりとした脂があるようだ。
胃袋も大きい。
皮と胃袋は湯引きをしておく。

身もたくさんあった。
全て昆布〆にする。
昆布〆は、酢で〆る方法が一般だが、
日本酒を酢の代わりに使うと、よりまろやかになる。
タラの身と昆布の両方に日本酒を塗っておいて、
タラの身を昆布ではさんでいく。
日本酒は宗玄無濾過純米生原酒山田錦を用いた。

2日目の雌は真子を持っていた。
薄皮のなかに、プチプチとした子がいっぱい入っているので、
薄皮を絞るようにして、真子を取り出す。
これは、醤油と酒に漬けておいても美味しいが、
味が浸みるのに2日はかかるので、今回は鍋に入れることにした。
タラを提供する前に出す前菜類も準備をしておく。
茄子煮浸し、梅の和三盆煮は前夜に作っておいたので、
盛り付ければいいだけ。
豆腐の味噌漬けは、フランスパンを切っておいて、
そこにパテのように塗るようにして提供した。

今回ちょっと手間をかけたのは、聖護院蕪とリンゴのサラダ。
両方スライスして、重ねて、
醤油と酒と酢橘、カボスで作ったドレッシングをかける。
その隠し味は山葵。
イクラは聖護院蕪をおろして和えておく。
鼈甲玉子は切るだけ。
温泉玉子は、お湯の温度を管理して作成した。
そして厚岸の牡蠣は、
まず、大蒜をバターとゴルゴンゾーラを混ぜて炒めて、
牡蠣の汁に酒と醤油で味付けをしておいて、
そこに貝柱を入れて炒める。
こちらは、宴の途中で調理して提供した。

初日は厨房の使い勝手が慣れていなかったので、
参加者とゆっくり話しをする暇がなかなかとれなかった。
しかし、2日目はさすがに余裕があった。


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2007年1月15日(月)

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