“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第620回
コハダの酢〆を体験

コハダは江戸前鮨屋では定番。
そのコハダのまるごとの魚体を初めて見た。
長さは15センチメータくらい。
コハダの〆方を調べるために、専門調理分野の蔵書を取り出す。
魚の捌き方の本も数冊持っているが、それらには載っていない。
やっとみつけたのは、江戸前鮨の仕事が書いてある本。
3軒の鮨屋でのコハダの〆方が書いてある。
それぞれ、違う。
そのうち、一番美味しそうな鮨屋のものを採用した。

まずは、両側の鱗を包丁の刃でなぜるようにして落とす。
そして、内臓をとる。
お腹の出っ張ったところを包丁で落として、
そのまま内臓を包丁で引っ張ると綺麗にとれる。
次に頭を落としてから腹開きにして、中骨を包丁で削いでおく。
それを15尾続けた。
最初は要領が悪かったが3匹目くらいから慣れてきて、
流れ作業になった。
形もだんだんと綺麗に整ってきた。
開いたコハダを塩漬けにする。
竹笊の上にコハダを並べ、塩を十分に振りかける。
30分ほど置いて、今度は酢洗いにする。
そして、笊の上に放置して酢を切る。
それを再度酢に漬け込む。
冷蔵庫に寝かして準備完了。
あとは、そのまま置いておくだけ。

平目、スミイカ、蛸、コハダと処理が終わったのが
大晦日の朝7時。
徹夜仕事になっていた。
まずは、大晦日にコハダを少し食べて見た。
漬け込んで一日も経っていない。
酢は柔らかい口当たりの雑賀酒造の常盤を使ったが、
それでも、ちょっと酢のきつさが目立った。
しかし、諏訪泉田中農場との相性はとてもよかった。
そして、正月に二日間漬けたコハダをいただく。
これは、酢が慣れてきていて、とてもいい味わいだった。
まさに江戸前の味。
これで、鮨屋の蛸の仕事とコハダの仕事が体験できた。
蛸、コハダとも、結構手間隙かかる仕事が必要なことが分かった。


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2007年1月19日(金)

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