“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第621回
正月宴会は刺身と鴨スキ

正月に親戚一同が集まる会合を毎年行っている。
今年は年末に仕込んでおいた
平目、スミイカ、蛸、コハダの刺身をメインの前菜にして、
あとはすき焼き。
すき焼きは、通常の牛肉と鴨肉を選択できるようにして、
各自が好きな方を入れることにした。
準備は牛肉だけやるすき焼きと同じ手間で、
二つの味を愉しめる。

まずは、明石の天然平目。
二日間寝かしただけあって、
モチっとした食感のなかに旨みがよく出ている。
醤油を付けなくても、甘みを感じる。
そして、蛸。
こちらは、茹で時間が少し短かったか、やや硬め。
仕入れてもらった鮨屋にあとで確認したら、
茹で加減を見ながら火を止める判断をするとのこと。
次回はもう少し柔らかく仕上げよう。
コハダは練れてきて、なんともいえない旨みがある。
焼いても美味しそうだったが、
鴨の準備など、他の調理に忙しくて断念。
コハダは大好評だったので、近々また〆てみたい。
スミイカも二日間の熟成で甘みが乗ってきている。
包丁目を入れて贅沢に厚く切った身は、これもモチモチ。

そして、すき焼きとなる。
牛は毎年仕入れている銀座スエヒロのオーストラリア産。
こちらは、まあまあの品質。
そして、西崎ファームのバルバリー鴨でのすき焼き。
醤油は初雁を使う。
鴨は火を通しすぎるとすぐに硬くなるので、
半生と思える頃に引き上げるのがベスト。
余熱でほどよい加減になる。
この熱々の鴨を、玉子に漬けて口に含むと、
玉子の甘みと汁の旨みが溶け合っていて、
そこで、鴨を噛むと上品な脂の食感が心地よく、
凝縮された旨みがジュっと口の中に溢れてくる。

合わせた酒は、秋鹿の山廃2種類。
山田錦と雄町の70%精米。
どちらも一年の熟成で旨みがでている。
山田錦はふくよかな旨みがあり、雄町は鋭い深みを持っている。
年初から、美味しい思いをして、
今年もいい年になることを予感した。


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2007年1月22日(月)

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