“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第629回
鴨に豆腐に蕎麦三昧

西崎ファームの鴨の話でさらに面白かったのは、
自然に近い状態で育成した鴨は、
季節による肉の違い、固体差の違いが大きく、
安定して同じ品質の鴨肉を生産することができないという点。
養殖や牧畜は品質と量の安定を図ることになるが、
その逆をいっている。
それで、最初は
なかなか売れなかったということもあったようだ。
いまでは、西崎さんは、その個体差を利用して、
どの店にはどの鴨といった、
オーダーメイドに近い出荷の形態を確立している。

そして、次に宮城屋の千葉社長を参加者に紹介して、
豆腐造りについて話していただく。
キヌ、木綿、ゴマの三種の宮城屋さんの豆腐が提供される。
キヌは柔らかいが大豆の甘みがいっぱい。
ゴマの芳醇な味も秋鹿によく合う。
皆さんは、とても満足していた。

そしていよいよ、我々の自家栽培蕎麦。
まずは、蕎麦掻で提供する。
昨年の蕎麦は例年よりもやや香りがかけていたが、
それでも通常の国内産の蕎麦よりははるかに芳醇な香味。
これは手刈、天日干しで茎の旨みが実に入る効果がでている。
次が蕎麦切。
皿の上に敷いた竹笊に三種類を盛って提供する。
馬頭、芳賀町という畑違いに、さらに、馬頭の1年熟成もの。
1年熟成が面白かった。
蕎麦を熟成させると老ねて駄目になるという常識を
蕎麦業界は持っているが、
どうしてどうして、香りもまだ新鮮だし、
熟成の味わいの深さがなんともいえない。
小田原の「星月」では、
新蕎麦の時季でも前年の蕎麦を混ぜているし、
丹波篠山の「ろあん松田」に至っては、
1年以上経過した蕎麦しか使用しないという例もある。
我々が蕎麦を熟成させて新蕎麦と比較したのは、
今回が初めてだったが、将来のポテンシャルを感じた。

第4回超美食会も大好評で終わった。
次回をどこにするかが、愉しい悩みである。


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2007年2月1日(木)

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