“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第632回
本厚木で相模湾の幸を堪能

先日は、もといた企業の知り合いの技術者の
博士論文の審査があり、
その後の懇親会で本厚木にある磯料理「三ツ石」を訪問した。
こちらは、ほとんどが天然の魚、
それも小田原であがる
相模湾の魚介類にこだわっているとのこと。
どんな料理が出てくるか愉しみだった。

本厚木駅から徒歩5分ほどの繁華街からは離れている場所で、
清楚な門構えの一軒家。
入ると建屋の奥が広くて、何部屋か個室に分かれている。
この店の名物という、刺身盛り合わせは豪華。
1メーター四方の四角い台の上に数種類の魚が
お造りとなって、並んでいる。
鯛、ホウボウ、鯵、サヨリ、海胆、サザエ、
鮑、ヤガラ、アオリイカ、鮪、伊勢海老などなど。

8名で訪問したが、
刺身だけでも食べきれないくらいの量だった。
それに、直径60センチメーターくらいの大皿に
平目の薄造りが牡丹の花のように盛り付けられている。
鮪以外は相模湾でとれたもの。
さらに、車海老が活きたまま笊に乗せて提供される。
これは後で剥いて提供してくれる。
いずれも、プリプリした食感は新鮮さの証し。
しかし、刺身のなかには、旨みがやや欠けるものもある。
どうも新鮮すぎるようである。
もう少し熟成させたらどれほど美味しくなるか、
ちょっともったいない感じもした。

その後、茶碗蒸し、穴子の天麩羅、キンメ煮付けと提供され、
これだけでかなりお腹いっぱいとなっていた。
そこに、ご主人がさらに、
見たことのない黒っぽい魚を持ってくる。
見た目はカマスにちょっと似ている。
名前が「スミヤキ」とのこと。
小田原では割りとよく入る魚らしいが、
標準和名はクロシビカマス。
場所によっては「ナワキリ」、「ガランチョ」
とも呼ばれているようだ。
このスミヤキを焼いたものが、とても美味だった。
この日の一番のヒットかも知れない。
小骨が多いが、それを避けながら食べると
適度な脂で、旨みがたっぷり。
特に皮は濃厚な味でたまらない。

最後にご飯が提供されて、
それも美味しく炊けていたので、
ついつい完食してしまったが、
その日の夜はお腹がいつまでも苦しかった。


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2007年2月6日(火)

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