“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第633回
東大宮「季作」で秋鹿に神亀

大学のキャンパスがある宇都宮線「東大宮」は
さいたま市とはいえ、あまり大きな繁華街はない。
飲食店は駅の近くにかたまっている。
帰りがけに一杯飲むのは、
駅前の「東大宮工場」で立ち飲みが通常だった。

埼玉県の飲み屋として、
この「東大宮工場」と大宮の「あづま路」、
浦和の「和浦酒場」を挙げたコラムを以前に掲載したが、
それを見た読者から東大宮の居酒屋を紹介された。
その名を「季作」という。
場所はなんと、大学から駅までの帰り道のバス通り沿い。
これまでに、その存在を全く知らなかった。
学生や同じ学科の先生に尋ねても、気がつかないという。
そこで、早速どんな店か確認しに行ってみた。

店は歩道からも大分引き込んだ場所にあり、
確かに前を通ってはいるものの、気がつきにくい。
午後6時半ころに、玄関の戸をあけたら、
店主が一人で準備中であった。
店はカウンターが数席、
小上がりのテーブルが3個あるだけの小さな店。
早速カウンターに一人で座り、店主の小山さんと挨拶をする。
まずは、秋鹿霙もように、前菜の大根粕漬け。
ほどよく粕の香りがして、酒が進む。
次が岩手で最近どんどん酒質が向上している
「酉与右衛門」(よえもん)を燗にしてもらう。
酉与右衛門は芳醇な味わいで、酸もよくキレている。
酒肴は牛筋煮込みにマグロのカマのトロロ。
牛筋は4時間以上煮込むとのことで、
酉与右衛門にとてもよく合う。
マグロも本マグロを使っている。
そして、神亀生酒の燗にスープ餃子。
これもよくあう。

小山さんは、2003年に脱サラをしてこの店を始めたらしいが、
料理修行経験は全くないという。
しかし、母親の実家が気仙沼で漁師をしていたので、
小さいころから魚を捌いていたとのこと。
その母親の実家の関係で、
気仙沼のいい魚が送ってもらえるようだ。
さらに、秋鹿純米吟醸吟吹雪をいただき、店をあとにする。
途中で「秀虎」で担々麺をいただき、お腹いっぱい。
通勤の帰りに一杯やる愉しみがさらに増えた。


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2007年2月7日(水)

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