“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第640回
前菜を出し、宴は佳境へ

前菜でともに出した、「砂肝の大蒜醤油漬」は、
砂肝を蒸しておいて、
大蒜、生姜、ラー油を合わせた醤油に漬けておく。
妻の得意料理。
本当は三日くらい経ったころが味に深みが出て旨いが、
今回は前日に作ったもの。
それでも、芳醇な純米酒にはぴったりと合う。
砂肝のシャキっとした食感に
大蒜醤油の味わいが砂肝の甘みを引き出す。
蕗味噌で酒が進み、砂肝で酒が進む。

セリのサラダも妻が作ったもの。
セリとリンゴとハムを合わせて、マヨネーズ味噌を和える。
セリの癖にリンゴの甘み、
それにハムの塩味がよく調和していて、
口のなかも爽やかになる。

そして、宮城屋のキヌ豆腐に胡桃豆腐がまたいい。
今回は宮城屋の千葉社長にも参加していただいた。
今回初めてだったのが、胡桃豆腐。
これは、ゴマ豆腐をベースにしていて、
そこに胡桃の欠片が入っている。
ゴマのネチっとしたコクに、
胡桃のカリっとした食感のなかの甘みが調和する。

そして、アサツキのヌタには、ヨーグルト味噌を用いた。
上品なヨーグルトの酸味と味噌の風味が
アサツキの甘さを引き出している。

それらを出しているうちに、鯛とチヌと鯔を刺身にし、
さらに、これらのアラで出汁をとり始める。
まずは、羅臼昆布を水から煮て、沸騰したらアラを入れる。
鯛とチヌの出汁は藻塩で味を整えて、潮汁にしたてた。
そこに、村公一さんの生産した若布を具として入れる。
鯔の出汁は、鯔のシャブシャブの汁用だ。
そうしているうちに、
さらに、肝などの内臓もその出汁を沸かせている鍋で、
湯引きする。
こうすると、水っぽくならない。

日本酒は、竹鶴、秋鹿山廃雄町70%、
秋鹿もへじ、白影泉などの純米無濾過生原酒の面々。
いよいよ刺身を3種類提供することになり、
宴も佳境に入っていった。


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2007年2月16日(金)

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