“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第674回
里山でナメコの栽培開始

蕎麦栽培をしている栃木県馬頭の畑に隣接した林で、
椎茸の原木栽培を昨年始めた。
そろそろ椎茸がでてくる頃で、収穫が愉しみだ。
同じ場所で、今年からナメコの原木栽培も開始した。
椎茸はコナラを原木に使用したが、ナメコは桜がいいという。
何故かというと、湿った状態を菌が好むから。
椎茸のように、コナラ、クヌギなどの木は皮が剥けやすい。
そうすると、せっかくナメコの菌が入ったコマを打っても、
乾燥して菌が育たない。
そこで、皮が硬く保水性が高い桜を使うわけだ。

地主のTさんにお願いして、
林に植わっていた大きな桜の木を、
冬の寒い間に切っておいてもらっていた。
何故寒い冬のうちに切るかというと、
春になると水を吸うようになって、木が活性化するから。
それから切ると皮が剥けやすくなる。
自然の摂理に合った、時間のかかる農作業で、
原木栽培は成りたっている。
原木のコマ打ち作業は、3月末の週末に行った。
午後からは雨という天気予報だったので、
朝から作業を開始する。

1メーターちょっとの長さに切ってあった桜の木に
ドリルで穴をあける。
穴は10〜15センチメーターくらいの感覚で
木の長手方向に一列にあけていく。
それを木のまわりに四方向に四列作成する。
その穴にナメコ菌のコマをハンマーで打ち付ける。
ナメコ菌のコマは椎茸のものよりは小さく、
使用したドリルの刃先も径の小さいものを準備した。
2時間くらいで、2000個のコマを全部打ちつくし、作業を終了。
原木は林の斜面の椎茸の原木の隣に寝かして並べる。
椎茸は皮に小さく亀裂ができ始めている。
そこから、椎茸がでてくるそうだ。
あと2週間程度で収穫できそうだ。
それで、細い原木を3本ほど自宅へ持って帰った。
ナメコが出てくるのが、来年の秋。
1年半もかかる。

最近は菌床栽培のように、
数ヶ月で大量に収穫できる効率的な方法に
原木栽培はとって替わられつつある。
しかし、このように、長い時間をかけて、
自然に逆らわない農作業だけが、
本来の茸の味を得られるはずだ。


←前回記事へ

2007年4月5日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ