“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第719回
総集編1 美味しさの本質を追求する

このコラムで、
いろいろと美味しい体験と、そのノウハウを紹介してきた。
美味しい料理屋を食べ歩くのもいいが、
やはり自分で食材の調達から、仕込み、
調理まで一貫してやってみると、
美味しさの本質がだんだんと分かってくる。

まずは、本当に旨い料理を食べようとしたなら、
いい食材、いい調味料を使うことが最低限必要ということ。
どんな名料理人がどんな味付けや調理をしても、
食材が貧相であれば、その味を増すことは不可能だ。
この基本原理は、蕎麦打ちを始め、
そして、蕎麦栽培を行うことによって、
正しいことを身をもって知ることができた。
適切な土壌で適切な気候の畑で、
蕎麦をよくするための栽培の努力を重ねて、
いい蕎麦の実がとれれば、結果として旨い蕎麦切りになる。

最近では、懇意な蕎麦屋数軒に
我々の栽培した蕎麦の丸抜きを少量サンプルで送っているが、
その濃い野生味をお世辞抜きに絶賛されている。
通常の営業で使っている蕎麦でも十分に旨くて、
評判の高い店ばかりなのだが、
我々の自家栽培の蕎麦の実はそれを超えているようだ。

蕎麦だけではなく、
魚も野菜も肉も自然の旨みが十分の食材を用いれば、
素人が調理しても美味しい料理になる。
料理屋は原価率を3分の1くらいの値にとっている店が多いが、
料理屋に支払う金額の半分の価格でも、
5割高い食材を仕入れることができる。
あとは、仕入れルートを確保することと、
食材の旨みを最大限出す調理方法を工夫することによって、
プロの料理を越える味を安く日常で食べることが可能となる。

また、このように食材から仕入れて、自分で調理し、
また、プロの料理を食べ歩いて比較することによって、
味の本質が分かってくる。
食材の性質と調理のやり方でどのような味に仕上がるか
という原理を体感するからである。
どんなに高級料理店を食べ歩く経験を増やしても、
美味しさの原理が理解できていないと、
料理の本質を評価することは不可能と思える。


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2007年6月21日(木)

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