死ぬまで現役

老人を”初体験”する為の心構え




第17回
外観の若さと頭脳の若さ

人の行動を支配するものは、
その人の物の考え方である。
たとえば、自分は年をとったと思えば、
道を歩くのだって年寄り風になるし、
物を食べる時だって年寄り風の嗜好になってくる。

若者の行動を観察する時だって、
同じ仲間のやることとは考えないから、
自分の若い時と比較して、年寄りらしい判断をする。
反対に、さして年をとった感覚のない人なら、
道を歩く時だって、ちゃんと背すじを伸ばしてサッサと歩くし、
嗜好は若者と同じ物を食べるし、
食が細ったなどと考えたりしない。
若者も自分も、同じ環境を生きているのだから、
少し自分が先輩なだけで、
そんなに思想に隔たりがあるとは信じない。

もちろん、誰にもれっきとした生年月日があるから、
客観的な年齢は争えない。
しかし、客観と主観は、その人の心がけ次第で、
必ずしも一致せず、五十歳くらいになると、
十歳くらいのひらきはできてくる。
標準から上下十歳となると、五十歳にして早くも、
六十歳に見られる人もあれば、
まだ四十歳にしか見えない人もある。
同じ年齢で上下二十歳もひらきができてしまうのである。

このひらきは外観にも見られるが、
外観だけの問題ではない。
童顔という言葉もあるように、
生まれつき若く見える人もあれば、五十歳をすぎても、
六十歳をすぎても、万年青年のような
若々しさを保っている人もある。
しかし、その人が本当に若いかどうかは、
話をしてみるとすぐにわかる。
それは頭脳の問題であって、外観の問題ではないからである。

若さを保つ第一の条件は、何といっても健康であろう。
いくら腕力のある人でも、健康でなければ体力は続かない。
ストロングとヘルシーは同義語ではない。
男と女を比べると、男はストロングであるかもしれないが、
平均的にはあまりヘルシーではない。
女はその反対に、一見、弱女しいが、意外に頑丈である。
だから一生を人生のマラソンにたとえれば、
女性のほうが長持ちし、長生きをするのである。
私自身、ふりかえってみると、子供の時は身体が弱くて
いつも病気ばかりしていた。
小学校に入るまでに三回も入院をし、
まともに育たないのではないかといわれた。
しかし、無理をしないで、
比較的規則正しい生活をしてきたせいか、
成年以後はさして病気もしないようになった。
六十歳すぎても、かなりハードな
スケジュールをこなしているのをみると、
「何か特別の健康法でもおやりになっているんですか?」
ときかれる。
「いいえ、病気をしているヒマがないんですよ」
と答えることにしているが、
これは冗談ともいえない側面を持っている。





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2014年12月29日(月)

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