第40回
■ SYさんからのQ(質問)

子供の頃から先生のファンで、
今も手元に美しい影絵のイラストの「西遊記」を置いて愛読しています。
先生に読んで頂ける幸せに恵まれたら、と祈ってメールを差し上げます。

さて、本題です。

私は現在、大阪市の中小企業を活性化するための
情報誌(フリーペーパー)をお手伝いしているライターです。
中小企業の経営者の方々をインタビューして回る仕事が多いのですが、
インタビューを通じて、
「日本経済全体は勿論だろうが、特に関西、さらに大阪の景気が悪い」
と日々体感しております。

各方面の偉い先生にもお話を伺うのですが、
「あれが悪い、これが悪い」といろいろご批評は頂くものの、
どうもピンとくるものがありません。
また、評論家や経営コンサルタントはやたらと
根性論、精神論をブッテくださいます。
勿論苦境を跳ね返すのに気力は必要でしょうが、
「気力で前進すれば、売り上げは後からついてくる」
といったようはお話ばかりで、正直ゲンナリしております。

私なりに愚考するところ、
何よりも景気に悪い影を落とすものは
「逼塞感」であるように思われてなりません。

歴史をひもとくに、
関西発のビジネスはアナーキーであり、
むしろ東京が保守的であり関西発のビジネスが根付くのに
時間がかかったように見受けます。
しかし、現在では、ほとんどの新しいビジネスが東京からスタートし、
関西はそれを受け止める側に回っていると思います。
しかも、非常に反応が鈍く、
非常に保守的(頑迷?)になっているような気がするのです。
とくに、IT関連のビジネスに関してはその感が強いと思われます。

羊のように頑迷な閉塞感が、関西を覆っている。そう感じております。

国際的にご活躍の先生に一ローカルの、
しかもこんな漠然とした質問を差し上げるのは気が引けるのですが、
「邱先生ならどうおっしゃるだろうか」
「邱先生ならどうお考えになるだろうか?」
とことあるたびに気になっておりました。

もしも、大阪、あるいは関西の経済の低迷について
先生がお感じになっておられることがあれば、
なんなりと是非お教えいただきたいと存じます。
それとも、「関西」とか「東京」という、
日本国内のエリアにとらわれていること自体が、
既に時代に遅れているということなのでしょうか?

何卒、アドバイスをよろしくお願いいたします。


■ QさんからのA(答え)

大阪にお住まいで、
おそらく大阪の斜陽化をまともに感じておられると思います。
私も友達がたくさん大阪におりまして、
また時々大阪に講演に行きますので、
昔と様変わりに不景気になってるのがひしひしと感じられます。

でも、そうなった理由は、
日本の経済の中心地がほとんど東京に移ってしまったということで、
大阪の人で東京に来て仕事をやってちゃんとできてる人は
結構たくさんいます。
大阪の地元が商売が悪いということじゃないかと思うんです。
それを立て直すにはどうすればいいかということになりますと、
工業生産も、それから物の売買をする仕事も、もう大阪にないんですね。
ですから、そういうチャンスがあるところへ移る以外に方法はないでしょう。

昔は上海と一番関わりがあったのは大阪で、
その当時はいろんな人が上海に集まって大変だったんですね。
その上海がいま大発展しているのですから、
双方をつないでものを考えるというのがいいんじゃないでしょうか。

それからもう一つは、大阪の人が大阪で仕事をやるのは
もちろん不思議なことではないんですけども、
よそへ出て行って成功するのは、
大阪の成功と考えた方がいいと思うんです。
その意味では、ソロバンのしっかりした大阪の人が
よその土地へ行って成功する可能性は
まだたくさん残っていると思います。





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