第82回
■はなさんからのQ(質問)

邱永漢様

毎日ホームページを楽しく拝見させていただいております。
私は現在広東省の深市に駐在している29歳の男性です。
今日、お伺いしたいのは中国の経済についてです。

現在、中国は毎年7〜8%もの経済成長を遂げており、
沿海都市部の各都市別なら10%にも達しているところがあります。
これだけを考えますと、中国は一般的に知られているように
世界で屈指の高成長を遂げている国だと思います。

しかしながら一方で、インフレ率が実質ゼロという実態は
経済成長とインフレは隣りあわせという常識を覆しており、
日本やアメリカでの過去の歴史を見ても
非常に不自然と感じられます。

また他方では失業者が800万人にも達しており、
率としては4〜5%と新聞で報じられていました。
私の仕事の取引先で某大手通信機器会社も
今年下半期に相当数の人員整理を行うそうです。
個人的な感覚ですが、
とても高成長を遂げている国で起こりえる現象とは考えられません。

表向き現実として起こっているこれらの矛盾を
邱先生はどのように見ていらっしゃいますでしょうか?
ぜひご教示ください。よろしくお願いいたします。


■QさんからのA(答え)

でしばらく仕事をおやりになったのなら、
たぶん中国がどうゆう具合にできているか、
また商売の難しいところはどこかおわかりかと思います。
でも、今あなたが私にしている質問を聞いておりますと、
例えば先進国というのはどうゆう具合にできていて、
経済がどれぐらい発達しているという先入観と言いますか、
そんな図式が頭の中に入っていて、
その物指しで中国を見ると、中国はおかしいんじゃないか、
経済が発展しているのにちっとも物価が上がらないで
デフレの傾向があるとか、失業者がいっぱいいるとか、
そんな具合に見ちゃうんですね。
本当はそれぞれの国で発展の背景になっているものが違いますから、
物差しではかるようなやり方をすると間違ってしまいます。

今、中国でどうして成長しているのに
インフレにならないでデフレが起こっているかというと、
世界中がデフレの傾向にあって、その余波を受けているからです。
そうした中で中国だけが成長しているのですが、
本来ならもっとデフレになるのをデフレにならないで、
物価が上がらないところで
成長しているのだと見た方がいいんじゃないですか。

それから、よく日本なんかで中国は経済が発展してると言うけど、
貧富の差がますます激しくなるんじゃないかと言ってますけど、
私なんかに言わせると、
貧富の差があるからこそ経済が発展しているんだし、
また経済が発展し始めた証拠だと思う方が正しいんじゃないでしょうか。
中国の経済が発展すれば、
効率の悪い国家事業は成り立たなくなりますから
失業者がふえるのは当然です。
それらの失業者を吸収する新しい事業がそのあとに続くのです。


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