第201回
■リンさんからのQ(質問):朝鮮半島情勢につきまして

Q先生、

私は上海を訪れまして、
先生が香港の中国化をいち早く言い当てられましたこと、
もしかしたら先生は次のような点をも鑑みられ、
それを確信されたのではないかと感じた次第です。

上海はかつてはの租界ですが、上海に限らず中国は、
ヨーロッパと歴史的にも結びつきが強いですし、
その合理主義、価値観などが、
生活の中にすでに深く浸透していたのだと思うのです。
上海の人々の表情や仕草に、
私はヨーロッパ的なものを感じ取り、
そこにヨーロッパ文化、
その合理主義への強い親和性を感じ取りました。

それまでの私は、表面はどう変わろうと、
根本は、共産主義の下に強制された価値観だけを信じている、
言葉は悪いのですが、カルト国家とそれを支える国民、
というステレオタイプの見方しかしていなかったのです。

ところで先生は朝鮮半島の今後を
どのようにお考えになっておられるでしょうか。

歴史は分離したものを再び癒合させ、
東ドイツは西ドイツ化し、
中国は先生がご指摘の通り、香港化いたしました。
その例に倣うなら、北朝鮮と韓国は、再び一つの国家を形成し、
統一される日が訪れるでしょう。

先生が、中国の香港化を看破されたその根拠として、
ヨーロッパ的合理主義への親和性の素地を
認めておられたからではないかと、
勝手な推測を立てた私ですが、
いずれにしましても朝鮮半島が統一に向かうに際し、
歩み寄るための素地となるものが必要だと思うのです。

そう考えますと私には一つの懸念が生じてまいります。

これまでの日本文化排斥などに見られますように、
韓国が日本に対し、根底に容易ならざる感情
を宿しているのであれば、それが北朝鮮との統一の素地になる、
つまり通常の想像とは反対の、「韓国の北朝鮮化」によって、
統一がなされる可能性も否定できない気が致します。
日本を仮想敵国と見なす国家の誕生が、
太陽政策の延長上に見えてくる可能性も
あるのではないでしょうか。

先生は朝鮮情勢をどのようにお考えでしょうか。

敬具


■QさんからのA(答え)

中国に注目されていて、
今度はその隣の朝鮮半島がどうなるかということを
ご心配のようですけど、
これは我々にとっても頭の痛いことで、
そんなに簡単に片付くことではないと思います。
あなたのように、韓国の北朝鮮化が起こるんじゃないかと
考える人は、世の中にはあまりないと思います。

文明というものは、野蛮な方向に動くものではありません。
もしそういう方向に動くのであれば、人類の歴史はないんです。
人類の歴史というのは、
だんだん開放される方向に動くと
考えた方がよろしいと思います。
そして文明は低い所から高い所に動きます。
もっとも、どちらが高いか低いかというのは
議論の余地がありますけど、
例えば軍国主義の北朝鮮の方が
韓国よりも先へ進んでいるとは、
まあ思えないでしょうね。

そうすると、韓国が北朝鮮化するというのは
ちょっと考えられないんじゃないでしょうか。
かと言ってその反対のことも、そう簡単にはいきません。
ただ、東西ドイツの例もあるように、
結局は豊かな方が貧しい方を養うということが、
何かのきっかけで起こると考えた方が
正しいのではないかと思います。


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