第221回
■KさんからのQ(質問):それ程は買えない

Q先生、こんにちは。
3月20日の”HIQ”の回答への意見がありますので、
以下に述べます。
よろしければ先生のご意見をお聞かせください。


「いま日本の経済が悪くなったのは、
ものが出来すぎて日本人が日本で作ったものを
買わなくなったから起こっている事であって、」

と、ありますが、アシストの社長のビル・トッテンのレポート
による(2002年5月)と、
「日本人の国民一人当たりの年間消費支出は320万である。
米国人の平均より43%、ドイツ人より46%多い。
イギリス、イタリア、カナダと比べると2倍以上の金額。
日本よりも消費支出が多いのはスイスだけである。」

その理由は

「日本人の一人当たりの生産性は30年前の16倍に増加した。
しかし、消費を16倍に増やすことはできなかったのである。」

とあります。

つまり「買わなくなった」ではなく
「それ程は買えない」が実情でしょう。
又、悪くなったのではなく、青年期のおおせいな食欲が
熟年にさしかかれば衰えてくるのは自然の摂理だと思います。
同じように高度経済成長期の食欲(購入意欲)が
永遠に続くものでは無いとおもます。
永遠の利益追求も同様に意味なきものと思います。

やはりQ先生のおやりになっている「人のためにお金を使う」が、
大人になった人間で自分の衣食住を賄えるようになれば、
それが究極の消費だと思いますが、
そうそう全ての人が出来ることでは無いのは
又、当然とも思います。

そうなると、消費はその動機にこそ重要性がありそうで、
個人の哲学や道徳感等、
現代日本人に一番欠落している部分で、
そこにこそ、この不況の根幹があると思います。


■QさんからのA(答え)

日本の景気が悪くなった本当の原因は何かということについて
私が、日本人がつくった物を
日本人が買わなくなったからと表現したんですが
わかりやすいようにと思ってそういう言い方をしたんです。

実は消費の動向というのは
すべての人の消費心理の総集計なんです。
一人一人の考え方はみんな違いますから、
それぞれが物を買った結果が
消費という数字になって現れてくるのです。
日本は物を作ってよそに売っているものですから
大抵の人はつい、外国に物が売れなくなったから
不景気になったという具合に考えますけれど、
日本人が作った物を一番たくさん使っているのは日本人なんです。
日本人が作った物の90%が日本国内で使われています。
輸出は10%〜12%しかありません。輸出は順調なんです。

自分たちが作ったものが有り余り過ぎて
日本人が買わなくなったというのと、
あなたがおっしゃるように買えないというのは同じことなんです。
物を買わなくなるのはそういった環境が
自然に出来上がっていったということですから、
政策として強制したり、禁止したりしないと
変える事ができないんです。
そういったことが十分に認識されていないし、
対策もきちんとできていないということが
消費が低迷する原因になっていると思います。
したがってあなたのおっしゃっていることと
私の言っていることはそれほどの違いはないと思います。


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