第415回
■万里さんからのQ(質問):不動産の所有の権利とは?

はじめまして、Q先生。
中国株で不動産関連の株を
長期スタイルで購入しようと考えております。
確かに各企業については調べれば情報が収集できます
(人それぞれですが・・・)が、その時ふと思ったのです。

そもそも不動産市場や取引習慣が
どのように成り立っているのかわからないことに。
中国は社会主義国家ですから
個人が所有権を取得することはできないのですよね。
資料を読むと”土地使用料”とあったような感じですが、
日本で言えば、借地権に対する対価、
みたいなものと考えればよいのでしょうか?

例えば、
”ある企業が○○地域の不動産を大量に取得した・・・。”と
あったとします。
取得?所有権?、???と思ってしまいます。
(ちなみに、私は長期投資なので、
中国の不動産市場がどうゆう方向に向かおうとしているのか、
この度の政府の不動産に対する規制の影響は
この企業にプラスか、ROE、PER、配当利回り、知名度、
地域等に注目して銘柄を絞って購入するつもりです。)

雑文になってしまいましたが、
不動産市場について国、州、企業、個人との関係が
どのようになって、どのようにお金が流れていくのでしょうか?


■QさんからのA(答え)

不動産株の長期投資には原則として賛成ですが、
中国の不動産は日本の不動産と少し違う所があります。
ご指摘の通り、中国の土地は全部国有で、
そこへ建てるために政府から借地をするという形になっています。
オフィスや商用ビルなどは50年、
住宅の場合は70年ということになっています。

では、50年、70年経ったらどうなるかは、
初めてやったことですからまだ誰も経験をしておりません。
私が中国でビルを建てる契約をする時に、
満期になったらどうするんですかと聞いたら、
みんなで顔を見合わせて、この中でまだ生きている人がいますか、
という話になって、それは子孫に任せよう、
その時の情勢によって決めればいいじゃないかと
サインをしたことがあります。

中国がどうしてそういうやり方をしたかといいますと、
いっぺん国有にした土地をまた民有に戻すのは抵抗があったんです。
そこで香港の真似をして、
香港の土地はかつて全部イギリスの女王のもので、
それを借りるという形になっていました。
香港の場合はものすごい高層建築ですから、
マンションでも一人当たりにかかる書き換え料は
ほんの少しで済みますのであまり響いてはきません。
今の中国の大都会もほとんどが高層建築ですから、
たぶん同じことになると思います。

もうひとつは、中国の不動産は株みたいに激しく変動します。
不動産株もその影響をものすごく受けますので、
上がり下がりが激しいんです。
じっと持っているうちに3分の1の値段になるというのは
珍しくありません。
ですから仮に長期投資を考えたとしましても、
値段が倍になったら半分は売って元金を取り返して、
後は上がったり下がったりしてもタダですから
自分の元値に影響はないという、
その土地の土地柄にあったやり方をしないと
上手くいかないと思います。


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