第561回
■興津さんからのQ(質問):これからの台湾

いつも勉強させていただいております。
十年以上前になりますが、台北の永漢教室で
日本語教師としてお世話になっていた者です。
邱先生はこれからの台湾は政治的にどう変わっていく
(あるいは変わっていくべき)とお考えなのか、
ご見解を賜りたく存じます。
3月20日総統選挙に関わるご見解もあわせてご教授賜れば幸いです。


■QさんからのA(答え)

以前、台湾にある私の日本語学校で働いておられたのなら、
台湾に関心をお持ちになるのは当然でしょうね。
いま台湾では独立につながるような物の考え方と、
大陸と上手くやって行きたいという考え方と二つの流れがあって、
その綱引きのような形になっています。
独立運動を一番初めにやったのは私ですから、
陳水扁さんは私の遥か遥か後輩です。

私の頃は台湾の人があまりにもひどい目に遭わされたので、
正義感に燃えてそれに反発したんです。
そのおかげでつかまったら命がないという目にあって、
飛行機に乗って香港に逃げました。
その時から私の人生が始まったのです。
それから世の中がどんどん変わって、今日に至っています。
いつかは必ず台湾は独立すると、
私は40年も前に文藝春秋や中央公論に書いたこともありますけど、
それがいま起っていることなのでしょうね。

でも、世の中は次々と大きく変わってとどまることを知りません。
グローバル化の時代になると
台湾の企業のほとんど90%が中国大陸に進出して、
大陸で生産をしてアメリカに売るようになりました。
台湾と中国大陸は経済的には
もう既に一つの形になってしまっているんです。

政治家というのは自分の政党地盤のことしか考えませんから、
変化に対する認識がどうしても遅れがちになりますが
いずれ現実に教えられる形になると思います。
一番後から遅れてくるのが政治家とお考えになったらいいでしょう。

民進党の人たちはしきりに本土化といいますけど、
地方の利益だけを優先させるわけには行きません。
日本と中国だって別々の国ですけど、国境は外れていく方向ですから
台湾と大陸の場合は国境はもっと低いと考えていいでしょう。
あまり遠くない将来は、みなさんが見ている前で
新しい変化が起こってくると私は思っております。


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