第585回
■キンタさんからのQ(質問):共産圏の銀行の将来性

つい最近ホームページを拝見する機会を得、
それから興味深く勉強させていただいております。
私は、98年頃から株式に興味を持ち、購入し始めました。
当時、先生が東南アジアの次は中国だと雑誌に書かれており、
その当時から中国株を買っております。
その当時の話ですが、先生の書かれた雑誌で、
東南アジアなどの発展途上期の銀行で儲けた人の話がありました。

そこで本論ですが、中国のように共産圏で人民の力が強く、
債権のとり立てが難しい国の場合の銀行の将来性はどうでしょうか。
自由圏のように大きく発展するのでしょうか。


■QさんからのA(答え)

お聞きになっていることは、
中国の銀行株をどう見るかということだと思います。
資本主義の国では資本の提供をする、
即ち企業に資金を提供する銀行は非常に有利な立場にあって、
株価も高いというのが常識です。

そのことは共産主義であるかどうかということとはあまり関係なく、
中国でも銀行は優位にあります。
ただ、中国の銀行は国営の事業にお金を提供するということになると、
政府が口出しをするので、
本当なら銀行の立場から言うと貸したくない時にも
金を貸さなければいけない時があって、
そのために不良債権がかなり出ると新聞は報じております。
そのことはたぶん間違いではないと思いますけど、
これから金の儲かる可能性の強い国と、
これから金が儲からなくなる国の不良債権とでは意味が違うと思います。

貸す相手を間違えず、貸した相手が金をちゃんと儲けてくれれば
過去においてマイナスになった分を
帳消しにすることはできると思います。
中国政府の方針として、
これからは将来性のない国営事業に金を貸すのはやめよう、
という話になっておりますので、
いま中国の銀行は不良債権を整理して、
綺麗になった銀行から上場しています。
したがって、生命保険会社も火災保険会社も皆同じ傾向です。

日本でもそうでしたけど、
経済が発展のプロセスに入った所でそういう会社が大きくなりました。
大蔵省が長い間配当を規制していたために
ずっと株価の動きがとれなかったんですけど、
それをはずした途端に
株価がものすごく高くなった経験があります。
台湾ではそういうことをやらなかったために、
始めから銀行や生命保険会社はどんどん大きくなっていきました。
ただしこれは長期的に見てそうなってるので、
それと同じことが中国でおこるとすれば、
銀行や生命保険会社に投資をする場合は、
長期的な考え方でやる以外に実績は上がらないんじゃないかと思います。


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