第881回
■K
さんからのQ(質問):日本人に欠けている能力

邱先生のグローバルな視点からの
将来を見据えた御意見にはいつも感心しています。

日本人は中国等に出て行って活路を見いだすべき
との御指摘にはまさにその通りだと思っておりますが、
豪州での生活の経験から、
日本人の個人としての力量は
とても中国人、欧米人には太刀打ちできないように感じました。

日本人は、教育の影響からか、
集団での能力発揮は上手いと思いますが、
個人での交渉力等々の能力は劣るように思えてなりません。
先に先進国になったという、
中国人に対する日本人のアドバンテージも
あっという間になくなるような気がします。
今後、中国人等とまともに競争できるように、
日本人は個人的にも
能力を向上・開発することが必要だと思いますが、
日本人の個人としての能力で何が一番欠けていると思われますか。

また、40歳前後の者が、能力開発のために
特に心がけるべき点を御教示いただけたら幸いです。
よろしくお願い申し上げます。


■QさんからのA(答え)

若いうちから外国へ出て生活をしたことのある人だったら、
多分アジアでも、あるいはアメリカでも、
日本人と中国人が同じところで働いているのを見ていると思います。
公平に見て、中国人が日本人よりダメということはない
ということには、すぐにも氣がつくと思います。

おっしゃるように日本人は、
エコノミック・アニマルというよりはグループ・アニマルで、
団体で行動することは得意です。
その分個人のスタンドプレーでは、
世界でも下手な方にまわります。
国連など国際会議の場で
日本代表がしゃべってるのを見ても分かるように、
日本人は皆眠くなるような話し方しかできません。

そういう日本人にも特長はありまして、
例えば私は、
中国人が商売人なら日本人は職人、といつも言っています。
物作りでこの3、40年間
世界をリードしてきた業績が物語るように、
その能力はいまもそのまま温存されています。
そうした能力を持って今度は世界の舞台で働く積りなら、
やる仕事はいくらでもあります。

ただし日本人だけでやるということではなくて、
それぞれの長所を持った色々な国の人と
相補って仕事をやるのが一番効率がいいと思います。
たとえば、中国で仕事をやるということになったら、
中国人の対応の早さ、そろばんの弾き方、というのと
日本人の手抜きをしない、馬鹿の一つ覚えでいいものを作ろう、
という執念をうまく掛けあわせたら
新しい商売のやり方がいくらでも生まれる筈です。


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