第1064回
■つくしさん
からのQ(質問):社会主義から自由主義への流れ

邱先生の本を25年来読み続けて、初めて質問します。
先日の中国の反日デモは日本人に大きな衝撃を与えました。
そのため、中国投資は疑問に思う
多くの邦人企業や個人投資家があると思います。
とくに戦争をしらない若い世代が
反日無罪と破壊行為をしたことを不安に感じます。

先生は日本は資本主義だといいながら経済は社会主義だ
といわれますが、
大使館を破壊して謝罪すらしない中国共産党は
認めるわけにはいかないと思っています。
商売上手な中国人に最も合わない社会主義は
中国が力をつけるなかで、
どう安全に自由主義に移行するのでしょうか。
その際現体制側の人は失脚することになるのでしょうか。


■QさんからのA(答え)

日本の資本主義は
極めて社会主義な色彩が濃厚であるということは、
例えば初任給をもらう人と会社の社長さんの給料が
7倍くらいしか違わないことを見てもわかります。
日本の会社の社長がもらうボーナスなんて
何千万円もらったらいい方ですが、
アメリカだったら10億ぐらいもらいますので全然違います。
給料だけでなく、株主に行くお金より
社員の方へ行く方がずっと多い国ですから、
日本の方が社会主義的ですね、と言っているのです。

日本の場合はそういう形になっても
生産を損なうような目にあわないですみましたが、
中国の共産主義の場合は分配にだけ力が入って、
生産が無視されたので、
結果的にみんなで貧乏することになってしまいました。
それが共産主義の欠点ですが、
その共産党も時と共に大きく変わりつつあります。
おそらく、次の若い人たちがトップに立つときには
また前と違う中国になっているでしょう。

そうしたことと大使館を壊したといったことは
あまり関係がありません。
そんな僅かなことが許せないなら、
親兄弟を殺された方はどうしたらよいのですか。
外交とは昔の貸し借りをどう清算するかということではなくて、
未来のことを考えて、もっと現実的に対策を考えることです、
感情だけが先に頭に来るようでしたら、
あなたは次の時代を生きて行けないと思います。


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