第1128回
■川川さんからのＱ（質問）：中国名義か日本名義か

いつも拝読させて頂き、大変勉強になっています。
私は中国出身で、主人が日本人です。
この度、中国で小さな会社を設立する予定を立てていますが、
会社の形態で悩んでいます。

ご存知のように、
中国では外資系企業への税金優遇政策が見直され、
早くも来年に国内企業と同じようになるとの情報が流れています。
反日感情が高い中、
私の名義で一般の国内企業を作ったほうがいいかと思います。
しかし、日本の技術力が高いのが売りで、
日本独資企業という形だけで、ブランドにもなります。
先生なら、どうされますか？

■ＱさんからのＡ（答え）

国際結婚で中国へ帰って会社を作る際に、
どちらの名義の方がいいかということですけど、
奥さんの名義がいいということがあるとすれば、
奥さんは気持ちの上でまだ日本人になっていない
ということだと思います。
日本人になっておれば、選択の余地はないと思いますけど、
双方の国籍のうちどちらか有利な方を使おう、
なんて考えることは、ずるい考え方でありまして、
それよりも夫婦関係をどうするか、
ということの方が優先すべきだと思います。
どっちを使ったらいいかなんていうのは、
あと少し時間が経ってみると、
笑ってすませることになります。

今のあなたたちが、どんな仕事をやろうと思っているのか、
私にはわかりません。
日本人がやってる方が得だという仕事で、
日本人がちゃんと許可をもらえるようでしたら
別に問題はないんじゃないでしょうか。
日本人では許可をもらえない仕事でしたらやむを得ませんから、
奥さんの名前で申請するよりほかありません。
その場合だって、
日本とリンクした仕事であることを宣伝することはできません。
実質そういうレベルの仕事でしたら、
本当はどちらでもいいのです。
一番大切なことは
それが中国で商売として成り立つかどうかということです。