第1235回
■KTさんからのQ(質問):自己資金でやっていく方法

邱先生:はじめまして。
私は香港で小さな輸出入商社を起こして10年になります。
年商で3億円ほどになりますが、
これまで銀行から借金をしないで
自己資金の中で何とかやってまいりました。
しかし、うちの顧問税理士は
「経営者は銀行から借金ができて一人前だ」と言うんです。
確かに、銀行から借金ができるのもひとつの信用ですから
それもそうかもしれませが、
過去10年のデフレ、粗利の目減りを考えると
高い金利を払って銀行から信用を得るのが
そんなに大切なのかと考えるときもあります。

知り合いの経営者は
「勉強料と思って銀行に預金を積んでL/Cを開いてもらったり、
お金を借りておくといいよ」と言うのですが、
私はどうも気が進みません。
先生の著作には「銀行とつきあう法」
それに「銀行とつきあわない法」の2冊がありますが、
私のように借金をしないで、
自己資金の中だけでやっていく方法について
どのようにお感じになりますか。


■QさんからのA(答え)

高度成長の時代には
「お金を借りてマンションを買いなさい」
とすすめた事が度々あります。
その頃の日本人は会社は別として
個人では絶対にお金は借りるものじゃないと
親から戒められていました。

ですから大抵の人はコツコツお金を貯めて、
お金が貯まってから家を買おうとしました。
でも、100万円貯まったら買えると思った家が
100万円貯まった頃には300万円にもなって、
家が建たずに腹が立ちました。
ですから銀行からでも、親戚中からでも
借りられるだけ借りて先に家を買いなさいとすすめました。
早くにそれをやった人は
人に先んじてマイホームを持つことができました。

ところがバブルがはじける頃になってもそれに気が付かないで、
お金を借りて億ションなんて家を買った人は、
すぐに3分の1も値下がりして散々な目にあわされたました。

そういう目にあうと、
今度は「羹に懲りて膾を吹く」ことになって、
もう銀行からお金を借りたくないという気持ちになります。
私自身は高い買物はやりませんでしたが、
それでもお金を借りてひどい目にあった例を散々見ていますので
絶対に確実でなければ、
なるべく借金をしないように心掛けています。

あなたの場合もお金を借りないでも
今までやってこられたんですから、
そのままおやりになるほうがいいと思います。
仕事そのものがどうしても借金を必要とする仕事で、
なおかつその借金に対して担保があって、
最悪その担保を向こうに渡せば問題が片付く
というケースの時だけお金を借りればいいと思います。
但し、それをやるとすれば
今までのあなたの流儀と違うことをやることになりますので、
相当の覚悟が必要です。


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