第1279回
■ウリさんからのＱ（質問）：経済発展のスピード

日本の経済発展は後発の利点を享受して、
ヨーロッパ諸国やアメリカに比べ、
相当早いスピードで達成したと言われています。
現在、中国は東京オリンピック前の日本の状況にあるようですが、
さらに後発であることから、
急速な経済発展が期待されるのでしょうか。
あるいは中国のような大国の場合、
おのずとそのスピードも緩慢になるのでしょうか。

急速である場合、資源問題などを含め、
世界経済に非常なインパクトを与えます。
中国の人々の生活水準が先進国並になり、
人口が減少しない段階で、
それだけすべてを養っていく資源が
地球にはあるのでしょうか？

Ｑさんはどのようにお考えでしょうか？

■ＱさんからのＡ（答え）

日本はヨーロッパやアメリカを見習って、
経済の発展という道を進んで来ました。
それをフルスピードでやりましたから、
短い期間に
工業がもたらす富が、農業がもたらす富よりも
ずっと大きくなりました。
ヨーロッパより早いスピードで進んでいる
と言えると思います。

その後を中国が猛烈な勢いで追っかけています。
日本の方はもう低速運転ですから、
あっという間に追いつかれることが考えられます。
でも追いついた頃には中国も成熟した国になっちゃって、
いまの日本と同じことが起る可能性もございます。

どこの工業国もどうしても
その国の人口の半分を養う程度しか
食料の生産が出来なくなるんです。
日本の場合も半分は輸入だし、
韓国も台湾もみな半分は輸入です。
１億3000万の人を養う食料は
アルゼンチンとかオーストラリアとかカナダとかに頼めば
何とか間に合いますけど、
13億の人が豊かな生活をするということになりますと、
６億5000万人分供給してくれるところは
どこにもありません。
これは必ず将来の大問題になります。
それを片付けるとなると、多分次の時代は
農業は工業生産でやることになります。

今やっているような農業ではなくて、
バイオを使うとか光とか水を使うとか、
いままでにない新しい方法で
人工的食品をつくることになるでしょう。
困れば自ら知恵は湧いてくるものです。
先回りをしてそういう勉強をしておけば、
メシを食うのには困らないでしょう。