中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第1549回
トロントのQさんファンさんからのQ(質問):将来を見通す思考訓練

邱先生、色々ためになるコラム毎日楽しく拝見しております。
先生の世の中の将来を正確に見通すズバ抜けた洞察力には
いつも驚嘆させられます。

現在は諸事の変化が益々速く複雑になり、
且つ情報過多で先が読みにくくなる一方の世の中だと思いますが、
我々凡人でも先生のように物事の本質を的確につかみ、
将来を正確に見通す能力を少しでも高めるには、
日頃どのような思考訓練をすべきなのでしょうか?

先生の長年の経験と思考法から、
先見力を高めるための世の中観察の視点、
定石みたいなものがありましたら、ご紹介頂けないでしょうか?
今後とも先生のご健勝をお祈り申し上げます。


■QさんからのA(答え)

人間は若い時は前を向いて歩くけど、
ある年を過ぎると反対に
未来に背中を向けて過ぎ去った昔の方を向いて歩きがちです。
そうすると、自分の過去の経験と
それによって作り出された固定観念で物を見ますから、
未来が見えなくなりがちです。
私はなるべくそうならないように
経験で一杯になった自分の固い頭で物を見るよりも、
少しスペースをあかして、この次何が起るかに合わせて
自分がどう行動するかを決めたいと心掛けてきました。

じゃあ未来はどうやって見るんだということになると、
窓の外の景色を見てもわかるように、
いま見える景色の次に何が出てくるというのは
いままでの景色をずっと見ているとある程度わかります。
たとえばいままで山があったところが
突然海になるということはなくて、
その間には森もあれば畑もあれば川も流れています。
したがっていま現に起っていることの続きは何か
ということを考えればいいんです。

いままでと違う景色にぶつかれば
経験に基く判断が間違うということも当然起ります。
そういう場合は自分の考えをできるだけ素早く修正をしないと
大損させられてしまいます。
したがって見慣れない眺めにぶっつかった時
その次に何が起るかということを想像する力を
ふだんから自分が身につける努力をする必要があります。
そのためには過去にとらわれず
胸を開いて自分に嫌なことや不利なことでも
積極的に受け入れる精神が必要です。


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2006年11月27日(月)

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