第1719回
■QPさんからのＱ（質問）：何をしても無駄なのでしょうか

1685回のマサさんの《モラルの低下》に関するご意見は
どうしても納得できません。
「自分がどう生きるかだけを考え世の中を直そうなんて
あまり考えない方がよい」
地球上のすべての人がそのように考えたらどうなるでしょう。
衣食足りないならいざ知らず、衣食足りている人は世の中の進歩、
人類の進歩を志さなければならないのではないでしょうか。
たしかに個人のレベルで出来ることは限られていますし、
その力は微々たるものです。
だからといって上記のように考えてよいものでしょうか。
（中略）
「思うばかりはおしの夢」
無力な個人は何も出来ない、何をしても無駄なのでしょうか？
より良い方向を求めて進むことこそ
人間に課せられた使命なのではないでしょうか。
更なる贅沢やお金儲けだけを目指せばよいものでしょうか？
（中略）

「人は何のために生きるのか」
凡人の何倍もの才能と人生経験をお持ちの、
25歳も年長の邱永漢さまにもの申すのは大変勇気がいります。
しかし多くの人々が読んでいるであろう場で、
このような発言をされると
多くの人がそのように思ってしまうでしょう。
その影響は計り知れません。

■ＱさんからのＡ（答え）

あなたが考えていることと私が考えていることは
別に矛盾しているわけではございません。
「自分の生活もちゃんとできない人が
人の面倒を見れるわけがありませんから、
先ず自分のやれることからやりなさい」
と言っているだけのことです。
あなたが考えていることを私は駄目と言っていないのに、
あなたの方が私を駄目と言うのは
少々気が小さいんじゃないでしょうか。

"衣食足りて礼節を知る"と昔から言われているように、
先ず自分が生活をして行く上で
人に迷惑をかけないようにすることが第一で、
それがちゃんとできてから
世の中のためになることを考えても遅くない、と言っているんです。
世の中のためになることを考えるな、
と言っているわけではありません。
物事には順序がありまして、
一つのこともできないのに次のことを考えても仕様がないんです。
もう少し私の考え方も自分の中に包み込んで、
大きな気持で世の中のためになることを
やっていただけませんでしょうか。