中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2080回
CocoさんからのQ(質問):アメリカの産業について

グローバルでスピーディーな情報と的確な考察を
無料でしていただき、いつも勉強させていただいている者です。
この場をかりて、お礼を申し上げたいと思います。

現在、主人の仕事の関係でサンフランシスコに在住しております。
アメリカという国は、
第一次産業はラテンアメリカの国々に任せ
第二次産業はアジア各国に任せ
自分たちはコンサルタントや金融、通信、エンターテイメントなど
第三次産業で生計を立てているように思えます。
第三次産業に従事する人たちの給料は大変高く、
それにあわせて物価がとても高くなり、加えて原油高で、
こちらでの生活はとても大変になってきていると
私の周辺の日本人は口々にいっております。
コンサルタントや金融のサービスが
その金額に見合う付加価値を創造しているかどうか
私としては疑問で、一種のバブルなのではないかと思うのですが
先生はどう考えられますでしょうか?

というのも、アメリカは返済能力のない人たちに
多額のお金を貸し付け、それを債権化して
知らない国の銀行に高値で売る
といった商売をしているように思えるからです。
格付け会社というものをつくり、
それを神聖化することにも成功していると思います。
この状況は今後どのくらい続くと思われますか?
長くなりましたが、
先生のこれからの益々のご活躍をお祈りいたします。
そして、お体もくれぐれもご自愛くださいませ。


■QさんからのA(答え)

アメリカ人は30年くらい前の石油ショックが起った時に、
自分たちで物を作るのをやめて、
もっと安く作ってくれるよその国から買う方向に転換しました。
そして外国から物を買うのに、
自分たちが働いて稼いだお金で買うのではなく、
たまたまドルが世界の通貨であるということを奇貨として、
どんどんドルを印刷して物を買うということを続けてきました。
そうして外国人の手に渡ったお金を、
「私に預けなさい、そうしたら増やしてみせてあげます」
と言って集めていた結果が、
サブプライム・ローンの騒ぎになったのだと見ています。

アメリカがこれまで外国人に支払ったお金を外国人が使って
アメリカの財産を買いに回る番が来たということです。
ちょうど日本人がアメリカから稼いだお金を
アメリカ人が利用して日本人の財産を半分くらい買い漁ったように、
今度はオイル・ダラーや中国、日本のダラーが
アメリカの財産のかなりの部分を買う番になりました。
しかし、オイル・ダラーを稼いだ人たちは
お金儲けは出来ませんので、
そのお金をまたアメリカ人に預けてふやす可能性が強いので、
アメリカ人のメシのタネはまだ終わってはいないかも知れません。


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2008年5月11日(日)

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