中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2176回
はっさんからのQ(質問):中国人と日本人の違い

邱先生、初めまして。
先生の分析にいつも勇気づけられております。
有り難うございます。

中国人と日本人の人間関係に対する違いの発祥について
先生の見識を伺いたく質問させて頂きました。

私は現在中国で日本語学校を営み、
自身もまた僭越ながら教鞭を執らせて頂いております。
その中で「中国人と日本人の違い」をよく聞かれるのですが、
私は国土の形成が原因の一つだと考えております。
日本は小さい島国であるので
自身を守る為に家族以外の他の人間とも仲良くし集団を形成し、
言葉も集団関係を壊さぬよう
相手を傷つけないような言い方が発達したのに対し、
中国人は自身を守る為に己自身が強くなければならないので
個人主義やはっきりした自己主張の言い方が発達した、
と考えています。

どちらがいいとか悪いとかは言えませんが、
邱先生は如何お考えでしょうか。
私は人間学者でもなく素人の仮説に過ぎませんが、
是非邱先生のお考えをお聞かせください。
宜しくお願い申し上げます。


■QさんからのA(答え)

日本人と中国人がどれだけ違うかという判断は、
その人の置かれた立場によって、かなり異なると思います。

あなたは中国で日本語学校もやっておられるので、
当然自分なりの理解ができていると思います。
私にはそういうことを書いてロングセラー化した
「中国人と日本人」という
中央公論社から出た本があります。
ある時、中国の大学の見学に行ったら、
そこで勉強をしていた若い人たちが、
私に挨拶をするのでどうしてかと聞いたら、
私の本を教科書として勉強していますということでした。

私が見ていると両方の違いというのは、
歴史の違いと、自分たちが置かれている環境の違いであって、
人間的に日本人と中国人が違うわけではないと思います。
その証拠に日本人の子供なのに、
戦争孤児で残った人たちの発想は、みな中国人的発想です。
その人たちが日本に帰ってくる場合だって、
本当に日本の親を慕ってるのか、
それとも何か棚から牡丹餅がおちてくるのを期待しているのか、
人によって違うと思いますけど、
極めて中国人的な印象を受けます。
ですからどういうところに置かれたかによって、
人間の物の考え方も、環境への対応の仕方も
大きく違ってくるんじゃないでしょうか。


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2008年8月15日(金)

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