中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2199回
籠の鳥さんからのQ(質問):もの造りをこえる

Q先生、こんにちは。
楽しみに読ませていただいています。
毎日、ためになるお話をいただき、ありがとうございます。

石油を含め、鉱物資源を中心に値段が上がっていますが、
採掘のコストがさほど変わらないとして、
値段が上がり、生産量も増えていくとすると、
採掘している会社の利益率と利益の額は、
今後もうなぎのぼりとなり、
モノ造りによる付加価値を超えてくる可能性も
あるのではないかと考えています。

"勝つのは資源かモノ造りか"
単純に、二者択一で答えのでる問題でないとは思いますが、
長期的な綱引きの結末がどうなるのか、
中国や他の新興工業国へ投資している私達にとっては、
金額の大小にかかわらず、無視のできない興味深いテーマです。
先生のお見通しをうかがいたく、よろしくお願いいたします。


■QさんからのA(答え)

いま世界の富が2つの方向に分かれて動いています。
1つは資源に対する需要が増えて
そちらの値上がりによるお金の流れです。
もう1つは世界中でそうした資源を使って物を作っている
日本や中国みたいな物作りの国が
付加価値を生み出しております。

その2つの流れのうち、
どちらが有望かと言うよりも、
お互いに向うの方が得してるなと
考えているんじゃないかと思いたくなる現象でしょうね。
私たちから見たら何一つ努力しないで、
地面の下に石油が出たというだけで
何でお金持ちになるんだと言いたくなるし、
向うから見れば
我々のものをちょっと買っていっただけで
あんなに高く売ってるなんてけしからん、
と思う人もいるんです。

でも世界の産業構造から見ると
原油が高くなったら、それを使って作るものは
もっと高くなる以外に方法はないわけですから、
物作りをしている人が倒産することにはなりません。

そのどちらが結果的に良いかということは
すぐに答えはでません。
お金のあるうちに産油国は
世界中の優良企業を買いまくるでしょうが、
中国や日本も資源の獲得に力を入れるでしょう。
10年くらいたつとまたその矛盾が出てきますから、
辛抱強くクイズを続けて下さい。


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2008年9月7日(日)

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